森にある社 ページ13
「人がいっぱいだ」
キョロキョロとあるものを見ながら道を進んでいる
すれ違う人も入り混じる人も沢山いて、もしかしたら朝の通勤ラッシュより凄いのかもしれない
「ん?あの女の人…振り売りかな?」
すれ違った女の人は大きな声で商品を宣伝していた
この時代の女の人って、優美なイメージがあったけど男に負けずに活発だ
頼もしいな〜と思いながら再び歩き出す
もっと奥の方に見える大きな建物が見え始めた
「あれは…大内裏?」
貴族とか、とても位の高い人がお仕事したりする所だよね
ちょっと近づいて見てみたいが…警備の人に捕まったらどうしようもない
「…そだ!あの森のある方向へ行ってみよ」
________
「あ、あれ?」
京を抜け、いつの間にか森の中に入っていた
私…無意識でここに来ちゃったのかな
後ろを振り返ると、都がすぐそこにある
「んー…もうほとんど見回ったし、少しだけ自然の空気を吸おう」
どーせ武具屋の方へ戻っても、まだ終わってなさそうだし
私はそう思い、森の中へと入って行った
「…ん?階段?」
苔や草に覆われてよく見えなかったが、段差らしきものがあるのに気付いた
人気の少なさを見ると、長い間ここに人が訪れた形跡がなさそうだ
私は階段を登り続け、都が小さくなっていた時ある物が視界にうつってきた
「こんなところに鳥居がある」
その向こうには古びた社が建っていた
どれも最近人が訪れた形跡がなく、苔やら伸びきった草が周りを囲んでいる
「…なんだか、寂しそう」
誰からも忘れ去られてしまったんだね
私は先程購入した甘味を懐から取り出した
本当は座敷童子にあげようと思ったんだけど…今回は見逃してください
私は鳥居をくぐり、社に近づいた
確か神様が祀られているんだよね?お辞儀とか…しとこう!
お辞儀して怒られることはそうそうないし!
私は勢いよく一礼し、甘味を供えた
「…あれ、お供物って酒の方がいいんだっけ?」
甘味はギリギリセーフですか?
え、お怒りに触れちゃう?私祟られる!?
私は一瞬で正座になり力強く手を合わせた
「ごめんなさい!私未成年だから!お酒買ったら捕まりますから!お酒は買えません、甘味で勘弁してください!」
きっと周りから見たら哀れな奴だと思われるだろう
だけど大丈夫!誰もいないから!
「美味しい美味しい甘味です!酒より体にいいですよ!?アルコールより糖分でいきましょ!?だから祟りだけは〜!」
55人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はぐはまさ - ranさん» ranさん!読んで頂きありがとうございますm(__)m般若ですね!少しずつ物語の中で登場させていきます(^ ^)貴重なご意見、ありがとうございます! (2018年2月3日 14時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
ran - とっても面白くて素敵な話ですね♪♪ 般若との出会いも見て見たいと思いました(*^^*) (2018年2月2日 23時) (レス) id: 1a72ca3fb7 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - いあち五めさん» いあち五めさん!あけましておめでとうございます(*^_^*) 更新遅くなってすみません!暫くこの状態が続きますが、許してください(°_°) (2018年1月2日 10時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
いあち五め - 明けましておめでとうございます!久し振りに更新されてて嬉しいです(´`*)更新お疲れ様です (2018年1月2日 2時) (レス) id: 75ac0719d6 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - ふじさん» ふじさん!コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )わかりました!次作は大天狗との恋愛にします!笑 その作品を作るのにまだ時間がかかりますが、許してくださいm(_ _)m (2017年11月14日 16時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はぐはまさ | 作成日時:2017年10月21日 23時