【陰陽師】女子高生と茨木童子 2

治療 ページ2

「君は不注意なのだな」


呆れながら出血している右膝をじっとみる茨木童子


反論したい気分だが、残念ながら事実なので言い返せない


私は川辺から離れた所に座って、怪我の様子を見ていた


…膝を怪我したの、何年ぶりだろう


まるで小学生みたいで少し恥ずかしかった


「止血、しなくちゃ」


私はハンカチを取り出し当てようとしたが、茨木童子はそれを制した


「舐めれば治るだろう」


はい？今なんて？


聞き返す暇なく、茨木童子は目の前で座り、私の右足を少し持ち上げた


「い、茨木童子？」


私の制止を聞かず、傷口に顔を近づけて…


「んっ！？」


な、舐めた！？舐められた！？


茨木童子の舌が、傷口に触れた


そのまま上に向かって溢れ出る血液を舐めとったのだ


…痛み感じるどころか恥ずかしさが勝ってる！


一度で終わると思いきや、何度も舐められ私は恥ずかしさで直視できず顔を真っ赤にした


「茨木童子っもう！もう大丈夫だから！」


「そうか？まだ溢れ出てくるぞ？」


それ以上やられたら恥ずかしさで死んじゃうよ！


そんな私のことなんて気にもせず、舌を動かし続ける


唾液と血液が混ざり合い、もう何が何だかわからなくなった


「も、もう…恥ずかしい」


すると一滴の血液が重力の原則に沿って、膝の傷口から内股を伝ってきた


「ん…」


「へ？ちょっそれは！」


茨木童子は内股に伝う血に気づき、流れた形跡に沿って舐め始めた


私は慌ててスカートの裾を抑える


そのまま舐められたら！大変なことになる！私が！


「ね、茨木童子…あっ」


身体が反射的にビクンッと跳ねる


それでも茨木童子は伝う血を追いかけ続け、太腿まで舐め始めた


く、くすぐったい…！


「ちょっ…茨木童子！もうだめ！」


私は茨木童子の頭をガシッと抑えた


「もう大丈夫！私は大丈夫だよ！」


「そうか、君の血は美味で小妖怪なら暴走していただろう」


茨木童子はいたずらに口元をペロッと舌で舐めた


気のせいか、少しだけ妖気が強くなった気がする


私の血を取りこんだから？


それより…やり方、心臓に悪いわ


「悪魔だ」


ボソッと言った言葉を茨木童子は聞き逃さず


「あくま？」


「いや！何でもないよ！」


そうか、と茨木童子は気にせず私のハンカチを容赦無くちぎった


きゃああああ、私のお気に入りが…


この鬼は隻腕にも関わらず器用に傷口にちぎったハンカチを巻いた

不器用だけど器用なやつ→←金色の瞳

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