10.バレました ページ10
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ブー、ブー、と鼓膜を揺らす音がして。
え、誰やろ？と銀島くんがスマホを取り出す。
そして画面をみてギョッとした表情をした。
「す、角名や」
「ええっ！！？」
電話の相手は予想外すぎる人物で。
くるっと角名くんの方を振り返ると、
スマホを耳に当てながら一緒にいた女の子に軽く手を振っていた。
一緒に帰るわけじゃないんだ、なんて。
ちょっぴり安堵したのは多分気のせい。
「お、おう、角名か」
やや緊張ぎみに銀島くんが電話にでる。
通話の邪魔にならないように。
彼から少しだけ距離をとって背を向ける。
スカートの位置を直したり。足元を眺めたり。
鞄の中からクマの形をしたカラフルなグミの袋を出しては
袋の中から2粒ほど摘みだして口に入れた。
お腹空いた。もう1個食べようかな。
袋の中に人差し指と親指をまた入れようとした時、
「……A」
通話中のはずの銀島くんに名前を呼ばれる。
ん？と一旦手を止めて後ろを振り返った。
「お疲れさま。来ちゃった」
「……え？」
なぜか困り顔の銀島くんの隣には、
スマホを手に持ちながら笑顔をみせる角名くんがいた。
？？なぜ角名くんがここにいるんだ？
さっきまで向こうにいたはずなのに…えっ、なんで？
うまく理解できないまま銀島くんを見つめる。
すると彼は申し訳なさそうに、すまん、と謝った。
「電話しとったらバレてしもた…」
ああ、なんてこった。
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作者名：. | 作成日時：2020年1月29日 23時
