角砂糖３つ分の､【角名倫太郎】 (ページ40)

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40.伝わるページ40

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あ、あれ？？

「……す、角名くん？」

「………………」

両手で顔を覆ったままの角名くんに呼びかける。

返ってくるのは沈黙のみ。

え。もしかして私かなり変なこと言った？

顔も見たくないくらいガッカリさせた？？

あ！さっき酷いこと言っちゃったから！？

よく分からないけど、ごめんなさい！角名くん……！！

訳も分からず心の中でひたすら謝り続ける。

背後で稲高生の賑やかな声が聞こえた。

一体どうすれば、とオロオロしていると、

「Aちゃんさぁ……」

そっと私の名前を呼ぶ声がした。

パッと角名くんのほう見上げると顔を隠していた、
長い指の間から切れ長な目がこちらを見ていた。

少しだけ見える彼の頬はほんのり赤い。

「それもう俺のこと好きじゃん」

「………！！」

静かに、でも少しだけ笑いを含んだ声にドキッとした。

「うん、当たり」

角名くんをまっすぐに見つめて、
照れるようにして笑いながら素直に答える。

本当はもっと可愛らしい返事をしたかった。

けど今の私にはこれが精一杯なわけで。

角名くんがゆっくりと自分の顔から手を離す。

優しく細められた瞳が私に向けられた。

「……なんか、あつい」

少し笑いながら熱くなった頬に手の甲を当てたり、
顔の前で手をパタパタしたりしていると、

角名くんが私の両手を包み込むようにして握られた。

その大きな手は全体的にはあったかいのに、

指先だけはちょっぴり冷たかった。

顔を隠すこともできなくなって真っ赤になった顔をじっと見つめられる。

「好きだよAちゃん。ずっと前から本当に好きだった」

ぎゅっと私の手を握る力を少し強めながら、

角名くんは優しい声でそう言った。