角砂糖３つ分の､【角名倫太郎】 (ページ24)

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24.写真ページ24

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自宅までのバスの路線の関係もあり、

とりあえず学校近くまで戻ることにした。

帰りのバスも思ってた以上にお客さんがいっぱいで、
またしても二人して立ちっぱなしになる。

運がないね。なんて顔を見合せながら苦笑いした。

途中、またしてもバランスを崩しかけた。

けど、ぶつかってたまるかとなんとか持ち堪えて無事に学校近くのバス停に到着することができた。

「今度は激突してこなかったね」

そうからかわれたのは言うまでもない。

*

「結構遅くなっちゃった。ごめんね」

「ううん全然！」

おうちの人とか心配しない？大丈夫？

横を歩きながら心配そうに尋ねてくる。両手を振って、
ほんとに大丈夫だよ！と彼を安心させた。

優しい…。角名くんは気遣いができる子だ。

いつの間にか斜め後ろを歩いていた私は彼の隣を歩いていて。

この半日でお互い距離が縮まっていた。

「今日楽しかった？」

「うん。すっごく楽しかった｣

「ほんと？良かった」

胸があったかい。

私なんであんなに警戒してたんだろう？？

少し前までの自分をちょっぴり不思議に思った。

「あっでも、私ばっかりしてもらってて何か申し訳ないから
なにかお礼をさせてほしい｣

「えーお礼？」

角名くんは少し驚いた表情をして優しく微笑んだ。

「俺は一緒にいてくれただけでも充分なんだけど」

でもまあ、強いて言うなら……

そう呟いて足を止めては私を見下ろす。

「そうだな、Aちゃんと写真が撮りたい」

………？？

えっ、……しゃ、しん…？？

驚きの返答にパチパチと数回瞬きをする。

「え、私と？」

「そ。せっかくだし」

「………写真かぁ」

髪の毛ももう元の状態に戻りつつあるし。

もし変な顔してたら大変だし恥ずかしい。

「んー」

「ね、お願い」

お出掛けに誘ってきた時と同じように。

少しだけ小首を傾げてくる。

結果そのあざとさに完敗して。

「わかった」と返事してしまう私は案外チョロいのかもしれない。