明日は晴れますか 【坂田銀時】

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｢お世話になりました､先生｣





もう戻ってきちゃダメだよ､と言われ苦笑いで返すA





あれから数日経った今日､長らく住んでいた大江戸病院を出る彼女を迎えに来た







新八達は退院祝いの準備で万事屋にいる






銀｢退院おめっとさん｣

｢うん､ありがとう｣





こちらに駆け寄るAに手を伸ばすと頭を傾げる




銀｢ほら､荷物貸せ｣




持っていた荷物を持つと目を丸くする


予想外だったのだろう､急に恥ずかしくなって唖然とする彼女を置いて歩き出すと待ってよ､と





｢銀時｣

銀｢あ？｣

｢ありがとう､らしくないね｣

銀｢一言余計だっつーの｣






悪態を着いてきたものの､その顔は嬉しそうだ








タクシーを呼ぶのが普通なんだろうが万事屋にそんな金はない｡


Aには申し訳ないが歩いて帰る他ない








(...それも悪かねーか)














歩き慣れた道をあの頃のように2人で並んで歩く｡








銀｢なァ､冬にこの道歩いてた時のこと覚えてるか？｣

｢冬？....あ｡｣




俺がニヤつきながら聞くと思い出したらしく顔を赤くする







銀｢お前が寒いつって俺と手繋ごうとしたやつ｣

｢だーー何で言うの...！！｣







万事屋で鍋をするからとAを呼び迎えに行った時だった｡











｢あ〜〜寒い！手がかじかんでる...銀時寒くないの？｣

銀｢俺わりと体温たけーからな､ほら｣





伸ばした手に触れた彼女の手を離さないように握るとえっ､と声を漏らす





銀｢こうしたかったんだろ､Aちゃん？｣




そう聞くと顔を紅くしてこちらを睨んでくる




｢ねえ､すごい恥ずかしいんだけど｣

銀｢はいはい､可愛い可愛い｣








等間隔に置かれた街灯の光が俺達を照らしていた｡












｢...懐かしいね｣




そう微笑む彼女だがその顔は嬉しそうではない






銀｢どうかしたか？｣

｢...思い出しちゃって｡銀時と別れた後同じようにここを歩いて､同じ事を思い出してたこと｣


銀｢なあ｢ごめんこんな事言って｡さ､帰ろっか｣







俺の言葉を遮って歩き出すAの手を掴む







銀｢...お前は､そん時どう思った｣




今聞かねェとこいつは二度とこの事を話さないだろう










｢...1人なんだなって､思ったよ｡街灯の光もあの時と違って少しも優しくなかった｡銀時の気持ちも､銀時との思い出も全部､雪みたいに溶けちゃった気がして｣




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