だいすき ページ41
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研究室はいつも通り
巨大ポッドのこぽこぽという水音が響いてる。
ヤスは画面の中のカルテを眺めて、ホンマの医者のように(いや医者やけど)いくつかの薬の名前を書き込んだ。
安「うん・・・初期の段階やから、ほかの合併症状引き起こしてまう前に克服しよう。
とりあえず、しばらくは剣術の鍛錬はナシにすること。亮、頼むな?」
錦「ん・・・」
安「ほんでおーくらはカウンセリング続けてこな」
大「・・・うん」
亮ちゃん、わかりやすく元気がなくて
ちょっとかわいい
俺は手持ち無沙汰に
淹れてもらったあったかいカフェオレを飲んで
そうしたら、ふいに。マルが背中を摩ってきた。
振り向くと、そこにあるのは純粋なまなざし。
丸「だいじょうぶだよ。ぼくがまもるからね」
その後亮ちゃんとマルは屋敷の警備当番があるって、
連れ立って研究室を出て行った。
残された俺に、ヤスは新しいお菓子を出しながらゆったりと口を開く。
安「マルはな。昔、陽派のちっちゃな研究室で貴重な『モルモット』として飼われてたんよ」
大「・・・え」
安「15年くらい前のことやから、今ほど結鬼軍の内部が冷戦状態やなかった時代。
飼われてる子どもたちを救出すべく、陰派の部隊が研究室に乗り込みに行ったん。その過程で・・・マルはおなじ被験体候補として一緒に育ってきた仲間を、目の前でいっぺんに失ってな。
おそらくそのことが原因で精神世界にゆがみが生じて、あんなふうに人格が割れてしまったん。
マルはやさしいから・・・こういうことは、やさしい心を持ったひとならむしろ当然のことなんよ」
おーくらもやさしいからなあ、と
ヤスはふわふわと笑いながら言う。
・・・かぞくをまもる
マルがいつもニコニコして言っているのは、
その過去の出来事のせい?
彼の強さの根源がそれやとしたら・・・
そんな、あんまりにも哀しすぎる。
大「・・・・・」
安「おーくら?おれはなぁ、おーくらのこと大好きやでぇ」
大「な、なにっ?いきなり・・・」
安「いや?言いたかっただけ〜」
意味わからへんし、くすぐったい。
・・・なんて、照れ隠しに過ぎひんけど。
俺もヤスのあったかいところ大好きやで、とはさすがに言えず、皿の上の甘酸っぱいベリータルトを口に運ぶ。
それと同時に、思った。
俺、亮ちゃんのこともマルのことも
いつの間にか大好きなんよなあ、なんて。
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べに(プロフ) - megumonkeyさん» わ〜〜ありがとうございます!^^ めちゃくちゃ気まぐれになりますが更新していきますね! (2021年9月27日 15時) (レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
megumonkey(プロフ) - 続きか読めてとても嬉しいです‼︎ (2021年9月27日 12時) (レス) @page38 id: fa40db60d7 (このIDを非表示/違反報告)
megumonkey(プロフ) - 更新ありがとうございます!楽しみに待っていました!! (2020年10月5日 18時) (レス) id: fa40db60d7 (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - ココナッツさん» 戦闘シーンわりと中2クサイけど書いててめっちゃ楽しいです〜〜!! (2020年8月1日 17時) (レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - ぬあああああああ!!!!!(言葉にならない素晴らしさ) (2020年7月25日 15時) (レス) id: 672a09a9f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べに | 作成日時:2020年7月11日 20時