ラブ・ハプニング ページ5
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大「・・・忘れられないような時間、くれるん?」
て、
想定した3倍くらいの低い声が出て
うわ俺何言うてるんやろって
冷静になったらめっちゃきしょい。
それやのに、
Aさんがいきなり俯いてしまうから
不思議に思って覗き込むと。
「・・・・・」
大「え??」
な、なんでっ!?
林檎みたいに真っ赤になって、涙目で。
こんな少女漫画の乙女よろしく純情な顔してるとこ初めて見るから、俺のトキメキボルテージがいとも簡単に上限突破する。
大「なっ、なーーんて!冗談やんか、ハハ!!」
「・・・・・」
大「いつもやいやいからかってくるし、そのノリやん!はは・・・」
「・・・・・」
大「・・・なんか言ってよ・・・?」
ざわざわと、遠くにきこえる生徒の声。
廊下をぱたぱた走る音。
ふたりきりの教室。
・・・青春か・・・?
公認カップルの件といい保健室での例の件といい、俺、この子とのラブ☆ハプニングが多すぎひん?って(いやラブコメやけども)
そんなん考えてたら
Aさんがそっと腕を掴んできて
突然のことにビクッとなってまう。
大「なに・・・?」
「・・・お、おくらしゃん」
大「うん・・・?」
「・・・わたし、あの・・・
大倉さんと、ほんとうに・・・」
そのとき。
ビー!ビー!と電子音が鳴り響いて、マジで口から内臓ごとゲロ飛び出るかと思った。
仕事用の無線機の音。
Aさんは慌てて咳払いをすると
腕時計型のそれをタップして
俺に背を向けてから連絡に応答する。
「はいなのです」
横『ノワールや。エル、仕事が入った。
・・・隣町の公園に魔族の反応がある。
小学生の下校時間までになんとかしてくれ。運転手には連絡済みや、至急向かってほしい』
「・・・了解」
次に振り向いたAさんはもう仕事モードで、
さっきまでの乙女モードはどこにいったのやら
いつものように悪戯な笑顔を浮かべてみせた。
すぐに校舎を出て、大学院の駐車場に向かう。
高級車のコワモテの運ちゃんは俺たちが乗り込んだ瞬間、迷いもなく発車させてスピードに乗る。
靴紐を結び直して、俺はネクタイを、Aさんはスカーフを外し、煌々と輝く太陽の下、到着すると同時に車を飛び降りた。
児童公園の奥、鬱蒼とした竹林に向かって並び歩きながら、俺たちは同時に武器の暗器化を解除する。
「さて、大倉さん。
夏休み一発目の任務なのです」
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べに(プロフ) - megumonkeyさん» わ〜〜ありがとうございます!^^ めちゃくちゃ気まぐれになりますが更新していきますね! (2021年9月27日 15時) (レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
megumonkey(プロフ) - 続きか読めてとても嬉しいです‼︎ (2021年9月27日 12時) (レス) @page38 id: fa40db60d7 (このIDを非表示/違反報告)
megumonkey(プロフ) - 更新ありがとうございます!楽しみに待っていました!! (2020年10月5日 18時) (レス) id: fa40db60d7 (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - ココナッツさん» 戦闘シーンわりと中2クサイけど書いててめっちゃ楽しいです〜〜!! (2020年8月1日 17時) (レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - ぬあああああああ!!!!!(言葉にならない素晴らしさ) (2020年7月25日 15時) (レス) id: 672a09a9f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べに | 作成日時:2020年7月11日 20時