太陽の森（∞）４

奴らの正体 ページ18

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顔についた血を拭う。


・・・アームグローブが黒でよかった。


足下に転がる男のひとの亡骸は、当然やけど灰になって消えたりはせえへん。


ふと・・・背中にだれかの手が触れた、と思ったら、それは村上さんで、




村「大丈夫か」


大「・・・ううん、全然」


村「・・・すまんな。でも、これが俺たちの世界や。

今ここは敵地・・・気ぃだけは張っといてくれ。じゃなきゃ、やられるのはコッチや」




もっともなその言葉に、こくん、と大きくうなずいてみせると、村上さんは八重歯を光らせて俺の頭をわしゃわしゃ撫でた。


となりではAさんが不思議そうな顔をしとる。


でも、そうか。逆に普通の世界(・・・・・)を知らんAさんたちからしたら、ここで俺の心が折れる理由なんて理解できひんのかもしれへん。





安『電波妨害とカメラのハッキングに成功してるから、おそらく地下は地上の騒ぎに気づいてないよん。

ただ、フロアの全容は見えへんねえ。

広いしカメラはほとんど無いし、電磁波膜で諜報ロボなんかの侵入も防いでる・・・うーん、ハッキング対策もかなり高スペックやわあ。

ここまで厳重やとな〜。ホンマに隠しときたい空間(・・・・・・・・・・・・)が広がっとるんかも、たとえば・・・この街の地下全体がそうなっとるとか』




ふと、横山さんがこちらに近づいてきて・・・

俺の足下にしゃがみこむと、横たわる男性のスーツのボタンを取り払い、斬撃を防ぐための装甲がないことを確認する。




横「・・・まるで捨て駒やな」


丸「そう思いますねえ。僕らに対して手も足も出てはらへんのは、単なる裏社会の雇われ素人かと・・・


それにしても妙でしょう？ここ。

生贄を使った違法な呪術や薬品の所持製作、国の征服を目論んで兵を育成・・・ちょっとや済まへんヤバさで有名やったカルト集団の残党とはいえ、アリスの言う通り警備システムが丁寧すぎる。

しかも、ニセの掴みまで準備してはる」




マルはどこからかファイルを取り出して、それを横山さんに渡した。


その内容に軽く目を通した横山さんは、ため息をついてそれを床に投げ捨てる。




横「厄介やな。日本でここまでできる組織なんか数も知れてるやろ」


村「海外の組織が付いとる可能性は無いんか？」


丸「そんなニオイはありませんでしたけどねえ・・・信仰内容も相変わらず仏教から派生した感じでしたし」

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