悲劇のはじまり ページ17
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地下階への侵入口を抑えた後。
すばるくんは銃を下ろすことなく待機していて、俺は部屋の前で、ただぼんやりと突っ立っていた。
となりには横山さんが立っとる。
彼は無言で刀についた血を拭っていて、声をかけてくることはなかった。
・・・俺のこと、無能やって呆れたんやろか。
そうやったとしても、べつに悔しくも悲しくもならへんくらいには感情という感情が麻痺してしまっとるけど。
「大倉さんっ」
通信機越しではないAさんの声。
顔を上げたら、廊下の先から走ってくるその姿が目に入った。
彼女は俺の顔を見るなりすっと無表情になって
それからゆっくりと右手を伸ばしてくる。
「・・・大倉さん？」
大「・・・・・」
「どうしたのです？どうしてこんな、哀しそうな顔をしているのです？
どこか、怪我でも・・・」
そのときやった。
Aさんの背後の部屋の扉が
すうっと音もなく開いて
血走った目の男が腕を振り上げる。
その手には、大きなサバイバルナイフ。
俺はとっさに翡翠丸を引き抜いて、
大「っ！」
カン！と響く白々しい音。
男のナイフを弾き飛ばし、
道場で藁人形にするのと同じように
刀を振りかぶって、その身体を切り裂いた。
ぐにゃ、とも、ずしゃ、とも取れない、
イキモノを斬ったという生々しい感触が
腕全体に伝わって
「・・・！」
振り向いたAさんが地面を蹴り、
その男の首筋に的確なトドメを刺す。
ごぽ、と口からあふれ出した赤に溺れるように倒れていくその男を、俺はただ、頬に返り血が当たるのをぼんやりと感じながら、
「・・・ありがとうなのです。大倉さん」
大「・・・・・」
横「よくやった、大倉。・・・エル、お前は任務中に気を抜くな。今は私情は捨てろ」
「っ・・・申し訳、ないのです」
――――ヒトを、斬ってしまった
錦「・・・あ〜っ！！ちょーー楽しい！！」
丸「ラビ、静かに」
村「上階、一掃完了。各部屋に2、3人の徹底ぶりやったわ・・・何人か、情報を持っていそうな奴だけ半殺しで拘束済みや」
ザワッと背筋が粟立つ。
刀を握る手のひらがぬるりとした汗で滑って、
安『地下階の情報入手〜。全体に魔力感知を避ける断魔材が使われてる・・・一部構造図送りまーす』
横「助かるわ、アリス」
.
俺は、ヒトを殺してしまったんや
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べに(プロフ) - megumonkeyさん» わ〜〜ありがとうございます！^^ めちゃくちゃ気まぐれになりますが更新していきますね！ (2021年9月27日 15時) (
レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
megumonkey(プロフ) - 続きか読めてとても嬉しいです‼︎ (2021年9月27日 12時) (レス) @page38 id: fa40db60d7 (このIDを非表示/違反報告)
megumonkey(プロフ) - 更新ありがとうございます！楽しみに待っていました！！ (2020年10月5日 18時) (レス) id: fa40db60d7 (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - ココナッツさん» 戦闘シーンわりと中2クサイけど書いててめっちゃ楽しいです〜〜！！ (2020年8月1日 17時) (レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - ぬあああああああ！！！！！（言葉にならない素晴らしさ） (2020年7月25日 15時) (レス) id: 672a09a9f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べに
| 作成日時：2020年7月11日 20時
