複雑な気持ち ページ33
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その夜。
道場でひとり刀を振ってきたのはいいけど
なんかいまいち集中し切れへんで
早めに切り上げて自室に戻ってきとった。
空は曇ってて月も見えへん。
何をするわけでなくベッドの上でぼーっとしとったら、コンコン、と響いたノックの音。
続いて、大倉さん、とちいさく呼ぶ声も。
大「・・・どした？」
「あ・・・お疲れさまなのです」
扉を開けるとAさんがいて(もちろんもう服は着とる・・・ちょっと残念)
彼女はそろりと俺を見上げて、にっこり笑った。
大「うん、お疲れ・・・もう身体は大丈夫なん？」
「はいなのです。その節はほんとうに迷惑をかけたのです」
大「迷惑やないけど・・・マジで心臓止まるかと思ったからな。元々しんどかったん？それやったら、先に言うといてほしいし」
「・・・ごめんなさい」
無意識にちょっとトゲのある言い方になってしもて、Aさんが珍しくすなおに俯いてしまったから慌てて弁解した。
ちゃうねん、俺、ほんまにビビりやからっ
しかもバケモンと戦ってすぐ後のことやったから、何かされたんかと思ったんっ
言いながら、つい目で追ってしまうピンク色のくちびる。
思い出して腰がぞくっと重くなる。
俺、あの時なんであんなこと・・・
急に死ぬほど後悔が襲ってきてヤバい。
大「つ、次からは倒れる直前に報告してほしいっ！
５秒前くらいに心の準備するから！」
「・・・それはさすがに難しい気がするのです」
Aさんがふふっと笑う。
いつもの笑顔。
「えっと」
大「ん？」
「あの、わたし今日大倉さんに・・・変なことしなかったのです？」
―ごめん。・・・お願いしてもいい？―
ヤスの声が、頭の中に響く。
・・・Aさん、保健室であったことホンマに覚えてないんや。
本人は寝ぼけてたんやろうけど、なんていうかちょっと気持ち的に複雑やわ・・・忘れられてて良いのか悪いのか・・・
大「変なことって？特に何もないけど」
「・・・そっか」
ほっとしたように息をつくその横顔には
元通りにピアスが光っている。
「今日は本当にお疲れだったのです。ゆっくり休むのです」
大「うん・・・」
「おやすみなのです」
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べに(プロフ) - ゆうみさん» ゆうみさん、コメントありがとうございます！わああとってもうれしいです、励みになります！(；；)お話はまだまだ続くので、頑張って更新していきますね！ (2020年7月2日 1時) (
レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - とっても面白いです！シリアスなのにコメディタッチで、とっても読みやすいしとにかく物語に引き込まれました！一気に読み進めて続きが楽しみです！更新頑張ってください♪ (2020年6月30日 21時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - ココナッツさん» わーーんめちゃくちゃうれしいですうう(；；)ありがとうございますなのです！(エルちゃん風) (2020年6月22日 21時) (レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - べにさんお疲れ様です！私個人の意見ですが、もうこれは無料で読めるアプリの域を超えているような素晴らしさなのです(エルちゃん風) (2020年6月21日 8時) (レス) id: 5d604581ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べに
| 作成日時：2020年5月22日 21時
