戦艦・夏雲 ページ44
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二人の刀が合わさった瞬間、
ふと、Aさんと視線が絡まって――――ふわっとやさしく微笑みかけられた。
大「っ・・・」
やば、むっちゃキュンときた・・・
直後、ぐるんと手首を返した彼女に刀を引っ掛けられて、
あっと思ったときにはもう、翡翠丸が手から弾き飛ばされていて・・・宙を舞ったそれはそのまま地面に突き刺さった。
丸腰になった俺の喉に、向けられた切っ先が食い込むギリギリのところで止まる。
「・・・うん。
いい動きだったのです」
言ってAさんは刀を引っ込めると、流れるように鞘にしまった。
・・・やっぱり敵うわけないけど。
ドキドキが収まらんまま翡翠丸を拾いにいくと、木陰からパチパチと拍手をするマルと目があった。
丸「おーくら、すごいなあ！今までのなかでいちばんかっこいいおーくらやった！」
大「あ・・・そ、そうかな？」
「りゅうちゃんの言う通りなのです。これならもう、夜の任務にも連れていけそうなのです」
夜の任務・・・
日没から夜明けまでの間は魔物たちの力が増す上に地下社会の動きが活発になるから、俺はこれまで外出許可さえ降りなかったけど。
(以前勝手に星野家を出て危ない目に遭ったし)
やばい、なんか、そんなん言われたらどうしよう、むっちゃくちゃうれしい。
この前のオロチとの戦闘で自尊心が奈落に落ちとったから、今回ほんのちょっとかもしれんけど・・・Aさんたちに近づけたんかな？って、
考えたらマジ、顔がニヤけるっ
「・・・大倉さん、いい顔するようになったのです」
ニヤけるの必死でこらえてたら、Aさんがそんなん言うてくるからまたからかわれてるんかと思ったら、
「はじめの頃はギャーギャーわめくだけのへたれドウテイくんだったのに、ずいぶんと折り合いをつけるのが上手くなったのです」
大「いや途中めっちゃ悪口入っとる」
「運命はいつだって残酷だけど・・・
その運命の下でどう生きるのかは本人次第なのです」
Aさんはそう言って、ふと遠い目をした。
そのまなざしの先には青い空が広がって、戦艦みたいに大きな雲が夏を彩っている。
「・・・こんな運命でも、あの頃は空の下で鍛錬ができるなんて思いもしなかったから」
横切っていくトンボの影が、太陽にぶつかっていく。
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べに(プロフ) - ゆうみさん» ゆうみさん、コメントありがとうございます！わああとってもうれしいです、励みになります！(；；)お話はまだまだ続くので、頑張って更新していきますね！ (2020年7月2日 1時) (
レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - とっても面白いです！シリアスなのにコメディタッチで、とっても読みやすいしとにかく物語に引き込まれました！一気に読み進めて続きが楽しみです！更新頑張ってください♪ (2020年6月30日 21時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - ココナッツさん» わーーんめちゃくちゃうれしいですうう(；；)ありがとうございますなのです！(エルちゃん風) (2020年6月22日 21時) (レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - べにさんお疲れ様です！私個人の意見ですが、もうこれは無料で読めるアプリの域を超えているような素晴らしさなのです(エルちゃん風) (2020年6月21日 8時) (レス) id: 5d604581ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べに
| 作成日時：2020年5月22日 21時
