神の謎に諸刃 ページ41
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横「もう一度言うけど、科学者がお手上げな以上人の持つ力だけではあいつの中のもんは制御できひん。
ヤスも言うてたやろ？あいつは俺たちと違う、ごく普通の家庭で育った民間人や。
身体能力も、精神力も、当然俺たちに及ばへん。少しずつ成長してるとはいえ・・・脆過ぎる。
ここ半年ほど四等以上の上級魔の報告が多いのは、大倉の神因反応に呼応してるからやと言われとる・・・そんなものがゴロゴロとやってきた日には、当然諸々のリスクが伴う。
・・・A。これは諸刃の剣や。
翡翠丸の封印が解けたことによって、その使用者と刀は意識せずとも互いの魔力を循環させることが可能になる。
今日のような魔力の暴発をある程度受け止めると同時に、たとえ大倉の腕っぷしがまだまだでも、刀のほうが勝手に武力の底上げをしてくれるんや。
たしかに、形代とはいえ神剣の力は計り知れん。
おそらくお前が危惧してる通り、神的魔力の暴走を強めることになる可能性もあるにはあるけど・・・
各方面から狙われながら、あいつがあいつなりにこの世界で生きていく道は、これしかないと判断した」
横山の話に大人しく耳を傾けていたAは、その両目をじょじょに元の飴色へと戻す。
時間をかけて噛み砕き、そうしてようやく、わずかながらも横山に肯いてみせた。
「その計画を知っているのは」
横「俺とお前だけや。
俺が、１人で判断した。責任はすべて背負う」
言ってちいさく笑う横山のひとみに、決意のようなものが宿っている気がした。
横「ただ、これはホンマに諸刃の剣や。ヤスには経過観察を含めて協力を仰ぐし、一定期間良好そうなら全員に伝えたい。
お前は大倉本人と他のメンバーに・・・この計画が透けへんよう、適当に誤魔化しておいてくれ」
「わかったのです」
横山は身を屈めると、流れるようにAの頭にキスを落とす。
褒めるとき、彼はいつもそうするのである。
広間を出て行こうとするAに、横山は言った。
横「なあ、お前・・・大倉のこと好きなんか？」
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Aは足を止めて振り返る。
チャームポイントでもある悪戯な笑顔を浮かべ、左の目をヘーゼルに輝かせて、でも、すこし淋しそうに眉をひそめた。
「わからないのです。
でも、あんまりにもそっくりだから」
今度こそ去っていく彼女の置いていった言葉は、横山の耳の中で、いつまでも切なげに響いていた。
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べに(プロフ) - ゆうみさん» ゆうみさん、コメントありがとうございます！わああとってもうれしいです、励みになります！(；；)お話はまだまだ続くので、頑張って更新していきますね！ (2020年7月2日 1時) (
レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - とっても面白いです！シリアスなのにコメディタッチで、とっても読みやすいしとにかく物語に引き込まれました！一気に読み進めて続きが楽しみです！更新頑張ってください♪ (2020年6月30日 21時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - ココナッツさん» わーーんめちゃくちゃうれしいですうう(；；)ありがとうございますなのです！(エルちゃん風) (2020年6月22日 21時) (レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - べにさんお疲れ様です！私個人の意見ですが、もうこれは無料で読めるアプリの域を超えているような素晴らしさなのです(エルちゃん風) (2020年6月21日 8時) (レス) id: 5d604581ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べに
| 作成日時：2020年5月22日 21時
