吾輩はチェリーである ページ2
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大「いやね、もう、
人生ってこんなもんなんかなとは思うよ」
語れるほど重ねてはいない人生に絶望すれど、
夜が明ければ朝はやってくるわけで。
はあ、とくたびれたため息をひとつ。
まったく支度の進まない俺は
お気に入りの整髪剤を手に
語れるほど重ねてはいない人生を語り、嘆いていた。
となりで眉を整える弟が
あきれた顔でこちらを一瞥する。
こんな朝を、もう、十日以上。
弟「兄ちゃんまたその話？」
大「だってな・・・」
弟「もうええって辛気臭い。
彼女にフラれたくらいで二週間もジメジメすんなし」
ふん！と鼻を鳴らし、弟は学ランを羽織ると
ドカドカと足音を立てて洗面室を出ていった。
・・・なんやもう無情過ぎて泣きそうになる。
空は青いし晴れてるし、
実弟には毒吐かれるし、
３限目は体力測定やし。
辛辣・・・
ありきたりの毎日。ありきたりの成績。
ありきたりの、ありきたりの。
ごくごく平凡な、人生。
唯一ね、まあ、
俺ってなかなかイケてるんやない？って。
180センチの長身に、無駄に長い手足。
明るい髪色にピアス、着崩した制服。
街とか歩いてたら、
「あの人かっこよくな〜い！？」
なんて言われることもしばしば。
だからと言って何かあるわけやないんやけど。
――――美蜂学園高等学部。
馬鹿でかい規模を誇るこの私立学園の生徒になって、早２年。
大「・・・はあ、腹減った」
俺、オオクラ。
18歳目前、童貞。
可もなく不可もなく、から脱してみようと、
軽い気持ちでアクションを起こした15の春から２年の月日が流れ。
学校に不満はない。
ツレは楽しいし、校舎はきれいやし
宿題の量もまずまずってところ。
もちろん家庭にも不満はない。
次男は反抗期真っ盛りやけど。
たったひとつ。
たったひとつ、不満があるとすれば。
女「あ、見て。大倉くんだ」
女「ほんとだ。やっぱりかっこいいな〜」
女「やめときなよ。どうせ遊ばれて終わりだって」
遊び人らしいよ、とか。
チャラついてる、とか。
女「イケメンだけどちょっと怖いよねぇ」
裏でヤバい連中とつるんでる、とか。
根も葉もない女子の噂に揉まれて、早２年。
女「ねえ、あの人先輩かな？」
女「大倉さんだよ、３年の。かっこいいけどヤンキーだし、悪い噂しかきかないよ」
大「・・・・・」
俺の青春はちっともあおくない。
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べに(プロフ) - 稲妻さん» わ〜！ありがとうございます！！気まぐれ更新ですが楽しんでいただけるよう頑張りますね〜！！ (2020年2月16日 23時) (
レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
稲妻(プロフ) - めっちゃ面白いです！更新楽しみにしてます！ (2020年2月16日 15時) (レス) id: b45af291eb (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - megumonkeyさん» はじめまして！コメントありがとうございます〜！！わたしの趣味全開ですが、そう言って頂けるととってもうれしいです…！気まぐれな更新にはなると思いますが、楽しんで頂けるようがんばります！(^^) (2020年2月13日 0時) (レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
megumonkey(プロフ) - はじめまして。すごくスケールの大きい話でドキドキ楽しませて頂いてます。大倉くんがこれからどうなっていくのか、とても楽しみです。次の更新楽しみにしています (2020年2月12日 18時) (レス) id: fa40db60d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べに
| 作成日時：2020年2月11日 23時
