質問 ページ32
me side
時刻は午後3時を過ぎた頃。
キリがいいところで筆を止め、気分転換のために少し歩こうと部屋を出る。
ut「あ。Aさん。」
『…鬱さん。』
ut「また会うなんて運が良いなぁ。ここで何を？」
『少しお散歩を。鬱さんは？』
ut「僕はこれから兵舎の方へ。良ければご一緒します？」
兵舎か…そう言えばお見合い以来行っていない。
『そうですね。是非。』
鬱さんと兵舎までの道のりを歩く。
ut「1本吸ってもいいっすか？」
『どうぞ、お構いなく。』
陛下と違う、煙草の匂い。
ut「そういや、ずっと聞いてみたかったんすけど、Aさんはなんでシッマと結婚したんすか？」
きっとそれは夫婦にされる質問としては定番で、
今まで答えたことの無いものだった。
『…そう、ですね、なぜ…』
少し考えて、口を開く。
『…私、ずっと陛下やみなさんの力になりたくて、
そのために国立学園に入って、頑張ってて…
そんな時にグルッペン総統閣下から婚約者の話を聞いて。
運命だと思ったんです。
この命の使い道が明確に示された気がして…
上手く、言えないのですが……』
鬱さんは白煙をふぅっと吐き出し、袋型の灰皿に吸殻をしまった。
ut「Aさんは、シッマのこと好き？」
私の目を見て、鬱さんは聞いた。
それも夫婦にされる質問としては定番で、
今まで答えたことも、考えたことも無いことだった。
また少し考えて、私は答えた。
『はい。』
結婚して誓った愛は偽りではない。
ut「…あいつにとっても、運命の出会いかも知れへんな、」
鬱さんはネクタイをゆるめながらそう言った。
ut「いやぁ、話聞けて良かったですわ。
人の夫婦仲に口出すなんてお門違いやってわかっとったんやけど、
どうしてもシッマのことやから気になって。」
『いえ。当然です。』
鬱さんに会えてよかった。
私の思いを改めて見つめ直すことができた。
鬱さんと一緒に訓練場に入り、
兵士の皆さんに少しだけ挨拶をしたあと、
私は自分の部屋に戻った。
良い散歩になったな、と、またペンを握るのだった。
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イデア(プロフ) - めさん» な、なんだってーー！！？(((すいません初コメにテンションが上がってしまいました、ありがとうございます…！！励みになります！ (2022年8月21日 0時) (
レス) id: 8186d383a3 (このIDを非表示/違反報告)
め - この作品ほんと大好きです (2022年8月21日 0時) (レス) @page47 id: b02816ae41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イデア | 作成日時：2022年6月19日 0時
