出会い ページ5
今日は見合いだ。
時刻は午後2時。
少し、いやかなり憂鬱な気持ちを飲み込んで、相手を出迎えるために玄関に向かった。
すると、馬車はもう着いており、1人の女が立っているのが見えた。
kn「…！(げ…)」
急いで女の元へ向かう。
kn「すいません、お手を取りもせず」
『いえ、私が勝手に降りたまでですので。』
長い黒髪に大人しい雰囲気のワンピース。
第一印象はこれまで見合いをした令嬢よりは好感触だった。
『ご挨拶が遅れて申し訳ありません。Aと申します。
本日は貴重なお時間賜りまして、ありがとうございます。』
スカートの裾をつまみ、礼儀正しく挨拶をする姿は全てが洗練されていて丁寧だった。
kn「あぁ、えっとコネシマです。早速城を案内しましょう、どうぞこちらへ。」
そう言って、城の中を案内する。
これまでと全く同じルート、同じプランで見合いが進み、
午後3時過ぎ。
全く同じセリフを吐いて中庭の見える場所で紅茶を飲む。
つまらない。早く終わらせたい。なんて心の声を抑えながら。
kn「どうです？気に入っていただけましたか？」
『えぇ。綺麗にされてるんですね。』
kn「そう言っていただけると、使用人達も喜びます。」
女はしばらく庭を見つめていた。
自分の話をするわけでもなく、紅茶を1口したきり庭を見つめていた。
少しの沈黙を経て、ようやく口を開いた。
『…陛下。大変恐縮ですが、お願いを1つ聞いていただけますでしょうか。』
kn「なんでしょう？」
『あちらの…兵舎の方を見に行きたいのです。』
中庭の奥に覗く赤色の屋根を指して女はそう言った。
kn「兵舎…もちろんいいですけど、何故です？」
『一国民として、もちろん王妃候補としても、知っておきたいのです。
知るべきだと思うのです。
国を命懸けで守ってくださる方々のことを。』
まっすぐ、強い目を向けられた。
紅茶をお互い飲み干して、見合いで初めて兵舎に向かった。
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イデア(プロフ) - めさん» な、なんだってーー！！？(((すいません初コメにテンションが上がってしまいました、ありがとうございます…！！励みになります！ (2022年8月21日 0時) (
レス) id: 8186d383a3 (このIDを非表示/違反報告)
め - この作品ほんと大好きです (2022年8月21日 0時) (レス) @page47 id: b02816ae41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イデア | 作成日時：2022年6月19日 0時
