仕事 ページ13
me side
『…暑い。』
思わずそう口に出てしまうような、真夏日。
グラスに注いだ紅茶にたっぷり氷を入れて、窓辺で風に当たる。
時刻は午後3時。
長く机に向かっていたせいか、少し甘いものが欲しくなる。
そんな時、小さく扉を叩く音がした。
『どうぞ。』
そう声をかけると、
失礼します。と声がした後に少しだけ扉が開かれ、
そこから一人の使用人が顔を出した。
「お仕事中すいません、今大丈夫ですか？」
『ちょうど一息ついてたところです。どうかしましたか？』
「よかった。もしよろしければなんですけど…」
そう言いながら、大きなカゴを片手に部屋に入って来た瞬間、
ほんのり甘い香りが鼻を抜けた。
「今日、お昼ご飯の後にちょっとデザートが欲しいねって話になって、
みんなでアップルパイを作ったんです。」
使用人がカゴに被せてあった布を取ると、
ひときれのアップルパイが顔をのぞかせる。
「すごくおいしくできたので、A様にもお裾分けをと思いまして…」
『おいしそう…、ちょうど何かお菓子が欲しいと思ってたんです』
「ほんとですか！良かったです…！」
ここの使用人の方々は、みんな気さくで優しくて。
本当にいろいろと良くしてくれる。
なんだかすごく、ここが心地いい場所になっている気がする。
王妃ってもっと、なんと言うか…重い生活なんだと覚悟していたけど
こうも周りの人が温かいと、安心しきってしまうな…
アップルパイを完食して、使用人の方も部屋を出ていった後
またペンを握る。
書類の内容を確認して、問題が無ければサインをする。
私が任せられているのは、彼らの仕事のごく一部。
もっと、国のために何かできることは、恩返しができることは、ないだろうか。
最後の1枚にサインを書いて、全ての書類をまとめて席を立つ。
提出するついでに、オスマン様に少し聞いてみようかな。
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イデア(プロフ) - めさん» な、なんだってーー！！？(((すいません初コメにテンションが上がってしまいました、ありがとうございます…！！励みになります！ (2022年8月21日 0時) (
レス) id: 8186d383a3 (このIDを非表示/違反報告)
め - この作品ほんと大好きです (2022年8月21日 0時) (レス) @page47 id: b02816ae41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イデア | 作成日時：2022年6月19日 0時
