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7粒。 ページ7

何事もなく帰ってきたあたしの部屋に、今度は流星が居座っていた。



この間頼んで買ってもらった本を眉をしかめて一心に読んでいる。
本、苦手なのかな。



「ねえ」


『おっ…おう、おかえり』


「難しいでしょそれ。長いし」


『俺本嫌いやしな』



パタン、と閉じて本棚に戻した。
だったらなぜと疑問を感じたけどそういえばあたしの部屋には本ぐらいしかなかったんだった。
6歳からずっと好きなのは読書くらい。



『もうすぐ7時。行こや、外』


「ほんとにあたしと行くつもりなの」


『1人にも飽きてきたんや。塀の外はどうやっても越えられそうにないしさ』



大きなくりっとした目の中が輝きを増す。
彼の中であたしが行くことは既に決定してるみたい。



思えば11年も外見てないんだよな…
景色は変わってるのかな。



1日くらいなら別に…いいか。



「分かった。行く」


『よし、靴履いてくる』



外は冷えるだろう。
薄着の上にパーカーを羽織って、靴も履いて、関係ないのに髪も梳かして。



扉を開けて強行突破するのかと思っていたらそんなわけなくて、流星が自分の部屋にあたしを手招きしていた。



駆け寄って、服が山積みになった箇所から服をどかすのを見ていると。



「えっ」


『ん。行くで』



自力で空けたのか大穴が空いていた。



ここからいつも出てたんだ。



『はよ』



先に中に入った流星に続いて、えいっと下へ飛び込む。
動くことに慣れていないあたしはふらついてしまったけど、腕を引っ張ってくれたおかげで何とか着地出来た。



11年振りの外へ。

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浅野(プロフ) - カジャさん» 画像戻したのですね…!カジャさんの思い通りにやってくださいね(⌒0⌒)/~~ (2019年6月24日 22時) (レス) id: 5193938615 (このIDを非表示/違反報告)
浅野(プロフ) - カジャさん» そうなのですか、!ならいいと思います!私の意見だけを使っていても他の読者さんは楽しめないと思いますので、どうぞ使ってください(^_^)/ (2019年6月10日 23時) (レス) id: 5193938615 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - 浅野さん» 本人ですね…ダメ元で画像申請しましたが許可が降りたので使用していました。ですが他の方が疑問に思う以上消させていただきます。すみません。 (2019年6月10日 23時) (レス) id: 94c6d0cc26 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - お酢んさん» ありがとうございます。ファンタジーなので共感は出来ないかもしれませんが…楽しみにしていただけたら嬉しいです´`* (2019年6月10日 23時) (レス) id: 94c6d0cc26 (このIDを非表示/違反報告)
浅野(プロフ) - 本人様の画像を使うのは良いのですか?それとも画像は御本人ではないのですか? (2019年6月10日 22時) (レス) id: 5193938615 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カジャ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kajya1734  
作成日時:2019年6月1日 0時

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