33粒。 ページ33
真っ赤な彼の左手から目を逸らせず悶々と時を見送る。
そして気づいた。
痛くなくても止血しないと血がなくなってしまう。
この期に及んでまだ生きる手助けをするのかと自分を嘲笑いたくなるけれど、どうしても諦められなかった。
申し訳程度の治療道具を持って流星の前に座る。
きょとん、とした表情をそのままにして優しく左手をとった。
「あたしが触れてる感覚は?」
『ある。柔らかい』
なら良かった。
失ったのは痛みだけ。
血を拭いて消毒液を染み込ませたコットンでトントンと叩く。
なけなしの知識で申し訳ない。
残り一つしか無い絆創膏を貼って簡単な治療は終わった。
りんごの絆創膏を見て口元を緩ませた流星はありがとうと言ってくれた。
優しく頭を撫でながら。
「あんま無茶したらダメだよ」
『してへんよ』
「血ダラダラなくせに」
『気づかんかった』
1人より2人で居た方が気が紛れる。
しょうもない会話でもいつのまにか時計の針は何周かしているものだった。
朝が来て、昼が来て、夜が来て。
きっとあたしと流星は今がいつかも分からないままずっとこうして2人で生きていく。
残った最後の犠牲者として政府の実験体になる。
それでも、1人じゃないだけマシだ。
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浅野(プロフ) - カジャさん» 画像戻したのですね…!カジャさんの思い通りにやってくださいね(⌒0⌒)/~~ (2019年6月24日 22時) (レス) id: 5193938615 (このIDを非表示/違反報告)
浅野(プロフ) - カジャさん» そうなのですか、!ならいいと思います!私の意見だけを使っていても他の読者さんは楽しめないと思いますので、どうぞ使ってください(^_^)/ (2019年6月10日 23時) (レス) id: 5193938615 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - 浅野さん» 本人ですね…ダメ元で画像申請しましたが許可が降りたので使用していました。ですが他の方が疑問に思う以上消させていただきます。すみません。 (2019年6月10日 23時) (レス) id: 94c6d0cc26 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - お酢んさん» ありがとうございます。ファンタジーなので共感は出来ないかもしれませんが…楽しみにしていただけたら嬉しいです´`* (2019年6月10日 23時) (レス) id: 94c6d0cc26 (このIDを非表示/違反報告)
浅野(プロフ) - 本人様の画像を使うのは良いのですか?それとも画像は御本人ではないのですか? (2019年6月10日 22時) (レス) id: 5193938615 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カジャ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kajya1734
作成日時:2019年6月1日 0時