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28粒。 ページ28

時間だ。



どちらからともなく目を合わせたあたしたち。
話すことなく立ち上がって、紙を握りしめた。



『行くかぁ』


「流星、」


『おん?』


「ありがとう」



言っておきたかった。
特別何をしたわけでもないけど、流星といた時は時間が経つのが早く感じた。



生きてて良かったなんて思わなかった。
けど出会えて良かったと思った。



『ふふ笑 俺も、ありがとう』



予兆なくその大きな身体が被さってきた。
頭を軽く撫でられて、何となく。
本当に少しだけ体温が上がった。



『え、照れてんの?』


「あほか馬鹿」


『罵りがすごい笑』


「早く行こ!」



服の山を退かして穴に飛び込む。
もう慣れたものだった。
すると後ろから追いかけてきた流星の手があたしの片手を包んだ。



「…は?」


『青春、してみたかった』


「うん?」



ははって短く声を上げる。
今日の彼は、よく笑った。



複雑な気持ちになるのはどうしてだろうか。



『もーえーやん、最後やで。ワガママ付き合って』



強められた力を振り払いはせず、しょうがないなとあたしも弱く握り返す。
男の人の手は大きくてゴツゴツしていて。
お話の中に書いてあること、本当なんだな。



イマイチ実感が湧かない。
もう終わりなんて。
明日から二度と、意志を持たなくなるなんて。

29粒。→←27粒。



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浅野(プロフ) - カジャさん» 画像戻したのですね…!カジャさんの思い通りにやってくださいね(⌒0⌒)/~~ (2019年6月24日 22時) (レス) id: 5193938615 (このIDを非表示/違反報告)
浅野(プロフ) - カジャさん» そうなのですか、!ならいいと思います!私の意見だけを使っていても他の読者さんは楽しめないと思いますので、どうぞ使ってください(^_^)/ (2019年6月10日 23時) (レス) id: 5193938615 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - 浅野さん» 本人ですね…ダメ元で画像申請しましたが許可が降りたので使用していました。ですが他の方が疑問に思う以上消させていただきます。すみません。 (2019年6月10日 23時) (レス) id: 94c6d0cc26 (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - お酢んさん» ありがとうございます。ファンタジーなので共感は出来ないかもしれませんが…楽しみにしていただけたら嬉しいです´`* (2019年6月10日 23時) (レス) id: 94c6d0cc26 (このIDを非表示/違反報告)
浅野(プロフ) - 本人様の画像を使うのは良いのですか?それとも画像は御本人ではないのですか? (2019年6月10日 22時) (レス) id: 5193938615 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カジャ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kajya1734  
作成日時:2019年6月1日 0時

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