雫

10粒。 ページ10

Eyp。



ここで進められている政府極秘の企画。
2000年頃にある特殊な薬を導入し、人類を進化させようという馬鹿な英雄気取りの研究者達が集まった。



Eypとは



Eternal youth projectの略でありまぁ直訳して
永遠の若さという意味になる。
つまりは



不老不死を実現させようということである。
そのために全国の、親に捨てられた、要は親の愛情を受けられず育つ施設の子供を使った。
それがナンバーだ。



総勢818名。
816名は早い話、薬に耐えられず死亡。
遺体安置所に無造作に置かれていることだろう。



これは流星から聞いたが、彼で最後だというのは上が話し合って決めたらしい。
もうすぐ20年にもなるこの壮大なプロジェクト。
何も成果を得られず時間だけが過ぎ、資金ももう底を尽きかけていると。



馬鹿どもは根本を考えていない。
不老不死になれたとて、太陽に当たれないなら夜しか行動の出来ないゾンビかヴァンパイアにでも属すだろう。



太陽に当たれないのは薬が熱に弱いため。
そんな薬をもう10年強打たれ続け、逃げ出せなくなっていた。



10年も耐えている身体はほんとにあたしと流星くらいなもの。
必死になって研究者は駆けずり回っているだろう。
死なせないように、あるいは死ぬ前に早く早くと。



何にせよもう、人間としての扱いは期待できそうにない。

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