・ ページ17
〜VERNONの場合〜
『......かわいい』
初めて会った時、愛おしくて堪らないといった表情で
Aヌナにそう言われた事を未だに覚えている。
入所したばかりの頃の俺は、まだ小柄で声も若干高くて。
3つ上のスンチョリヒョンは当然だけど、1つ上の
ミンギュヒョン達とでさえ全然体格が違ったから、1歳
の差ってこんなに大きい物なのかとちょっぴり感じたり
もした。
だからなのかな。
大きなヒョン達に囲まれる小さな俺を、ヌナはずっと
可愛がってくれていた。
スングァナやチャナもだいぶ愛でていたけど、中でも
俺の事は格別に。
思春期でむず痒かったけど全然嫌ではなかったし、寧ろ
今では俺がAヌナの1番のオキニなんだぞってちょこ
っと自慢げに思っている。
けど、なんで明るくて人懐っこいスングァナやマンネの
チャナではなく俺なのか疑問に思って。
一度、ヌナに聞いてみた事があった。
『ハンソラは、うちの弟にどこか似てるんだ』
『まだ小さくて、ふわふわの癖っ毛で、マイペースで、
喧嘩とか揉め事が苦手な平和主義者で。
名前も「そら」だし、重なりすぎてなんか変な感覚ㅎㅎ』
なんだ、弟に似てたからか。
ちょこっとだけ、寂しい気持ちになった。
けど、
『でもハンソラはハンソラだよ。
弟に似てるかもって思ったのは、話すようになって
だいぶ経ってからの話だし。
純粋にハンソラが私の好み？のど真ん中なんだと思う。
どこが、とか何がって聞かれると難しいけど...
こんな事言うと他の子達が拗ねるけど、私の中で1番
可愛がってるのは紛れもなくハンソラだよ』
本人から、1番だって言ってもらっちゃった。
なんか嬉しいや。
寂しさが一瞬で嬉しさに変わって、心が満たされていく
感覚がした。
「俺がヌナより大きくなっても、声が低くなっても、
ムキムキになっても変わらず1番って言ってくれる？」
『ムキムキってㅋㅋ
当たり前。私にとっての1番はずっとハンソラだよ』
あれから、俺はだいぶ成長した。
少し見上げていたヌナの事をいつの間にか追い越して、
声も低く男らしい声になった。
筋肉もついてガタイがよくなって、この数年で少年から
成年へと変わった。
「Aヌナ」
『ん？』
「俺、あの頃と全然違うけど今もヌナの中で1番？」
『懐かしいねそれㅎㅎ
当たり前。私にとっての1番はずっとハンソラだよ』
「そっか」
それがいつか、1番の"弟"から"男"に変わる日は来る
のかな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1005人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めいびー(プロフ) - 瑠璃さん» 1年越しの返信になってしまって申し訳ないです💦コメント、体調のお気遣いありがとうございます！少しずつではありますが、またのんびり更新をしていきたいなと思っていますので、よければサンちゃん達をこれからも見守ってくださると嬉しいです！ (4月17日 0時) (
レス) @page34 id: 82ca96ac76 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 初めまして。初めてコメントさせていただきます。サンちゃんとっても可愛いです！どうか御身体に御気をつけてお過ごし下さい。 (2023年1月17日 23時) (レス) @page25 id: 30f660a3ce (このIDを非表示/違反報告)
めいびー(プロフ) - Aさん» ありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです😭💞 (2022年10月11日 21時) (レス) id: 68e225a801 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - とても好きなお話なのでこれから楽しみにしてます🥺！ (2022年10月11日 12時) (レス) id: 373120d77d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めいびー | 作成日時：2022年10月10日 0時
