cafe碧空日記 <短編：chocolate記念日 >

9　小さな恋3 ページ9

さりげなく、俺はその二人とえりの間に立つ。


N「あ、蔵にさ、可愛いラッピングの本あるんだ、えり持ってきてもらえる？」

えり「え、あ、はい。」

N「二人は盛り上がってるから、大丈夫だよ。」


小声で言うと、緊張したようにうなずく。

えりが玄関から出ようとした時、


たく「かずにぃ〜！！ゲームしようぜっ！！」

けん「どーも。」
2人が入ってきて。
その瞬間、えりが真っ赤になって下を向く。


たく「なんだよ、またお前達来てたのかよ？」

のん「うるっさいなぁ。あなたたちもしょうさんみたいに、大人な男性だったらいいのに」

S「はは、じっさい大人だしな。」

まど「でも、まーくんや、じゅんじゅんは大人に見えて、こどもっぽいよね？」

M「うっさいわ！！」


騒がしい中で、
けんとえりがお互いを見て、
ちょっと赤くなって
目を逸らした一瞬を俺は見逃さなかった。
ほーお、そういうことね。
なんか・・・初々しいじゃないの。


cafeを始めて、早いうちからのお得意様。
この可愛いカップルの
小さな恋・・・応援しなくちゃね。


N「じゃあ、えり行く？」


裏口から出て、玄関のとこで呼ぶと、
ちょっと
お互いに名残惜しそうに
振り返り、


たく「えー、かずにぃ、ゲームは？」

N「待ってろって、すぐ戻ってくっから。じゃ、えり、いくぞっ」

えり「あ、うん。」


後頭部に、けんの視線を感じつつ、
俺たちは蔵に向かった。

なんだろう、
こういうきゅんとする気持ちって・・・いいな。

任せたよって感じの、まーの視線に
なんだろう、
俺まできゅんとして。

しょうさんと、じゅんくんも
優しい視線を向ける。


じゃあ・・・俺とさとしで、
あ、でもさとしは苦手分野かなぁ・・・。

まずは、ゆっくり聞きますか。


黙りがちなえりと並んで駐車場をよこぎると
見慣れた商用車が俺らの前に止まる。
そう、それは
関八の車。


N「おう、今日は寄ってかねぇの？」

RYO「また後で寄りますわ。」


助手席から亮が、顔をのぞかせる。
運転席から


TYU「あのぉ、松本くんっています？」

N「ああ、もちろんいつもどおり料理してますよ。何、用？」

TYU「あ、ああ、まぁ、うん。」

N「？？？」


なんとなく、ちょっと違和感？


RYO「仕事終わったら、来ますわ！！」

N「おう！！」


忠がちょっと俺じゃなくて視線がcafeを向いてる気がしたけど。

走り去る車を見送って、
2人で蔵に向かう。

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