cafe碧空日記 <短編：chocolate記念日 >

35　chocolateにはリボンをかけて6　sideO ページ35

S「はぁああ、今日は感動したしさ、なんか、こう、キューンと来たよねっ！！」


大きな瞳を三日月みたいにして、
しょうくんが、元気に言う。

興奮したように、鼻歌でラップを口ずさんでいる。

いつもどおり、
それぞれの役割のカーテンを閉めて、
暖房を入れて、
風呂をセットして。

おれは、かっこいい仕事モードのしょうくんも好きだけど、
いつもの頭いいのを取っ払ったような、
ふざけたモードのしょうくんも好き。


この間までは、


S「俺たちのchocolateは？」


って、うるさかったけどさ、

今回の学校の行事に一生懸命になったら、
言わなくなった。



気が楽だったけど。

それはそれで・・・ちょっとつまんねぇ・・・。


ここだけの話、
行事とか記念日とかにこだわって、
一生懸命頼んできたり、しょげてヘタレてるのが・・・嬉しいんだ。

だって、それって
おれに・・・夢中ってことじゃない？


S「風呂いれたから、寝る？」

O「しょ、くんは？」

S「うん、今回のことも、なかなかない経験だし、会社の記録にしとくから、ちょっと仕事するかな。」

S「先、寝ててよ。」


ふーん。
明日だって、いいじゃんっ、その作業っ。


O「あのさ・・・。」


おれだって・・・用意したんだもん。

板チョコのラベルと銀紙をガサッと破いて、
大きいまま、口にくわえて、

ほれっ

と顔を向ける。


O「ん、んんっ！！」


顎をしゃくって、銜えたチョコを見せる。


S「あ、あああああっ・・・///！！」

S「それって、俺にぃ！！！？？？？」


大声で叫んで、
口を大きく開けて、
板チョコをぱくっと奪ってくれた。


O「ふふ・・・チョコだよ？今日だろ？」


嬉しそうに、

S『そっか、そっかぁ、やっぱり、俺って大事にされてる』

とかブツブツ言っているのを眺める。


S「あ、じゃあ珈琲淹れようか？」


ご機嫌でキッチンに行こうとするから、

へっ、
それだけじゃねんだぞ！！


O「これも！！」


紙袋を渡す。


S「えっ？何？」

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