cafe碧空日記 <短編：chocolate記念日 >

13　その夜2　sideM ページ13

M「あ、じゃあやっぱり恵方巻きつくんなきゃ。」


慌てて時計を見る。
ちょっと遠いけど、隣の地区のスーパーなら24時間オープンだ。

みんなが盛り上がってる間にひとっ走り行ってくるか。
冷蔵庫に、
タマゴがあるし、大葉があるし、
刺身をちょっと買ってこれればいいかな。
あ、海苔も切れてるか・・・。


M「おい、あんたら、今夜飲んでいけるの？」

YASU「もちろんっ」

YOKO「おう、これ、土産やっ」


手にしたのは、立春にしか手に入らない、
蔵出しの立春絞りの・・・日本酒。


S「おーっ、すっげぇ、こんなのあるんだ。」

HINA「あんたたち、ここに来て初めての立春やろ？地元の酒蔵が、ぜひ持ってけって。」


すげぇな！！
じゃあ、せっかくだから、ちょっと遅くなるけど、張り切るかな。


M「じゃあさ、あまりもんで、まさき〜、肴頼める？」

A「おう、もちろん、まかせてっ。」


よしっ。


M「俺、ひとっ走り隣町まで恵方巻きの材料仕入れて来るわ。」

N「じゃあ、わたし、ご飯研いでおきますね。」


さとしは、しょうさんと、お酒の瓶のラベルとにらめっこしながら、盛り上がっている。
はぁ・・・。あーあ。

俺も、告げられる想いならいいのにな。
昼間の・・・
えりとけんの、小さな恋。

お互いを想って、
それを応援する周りがいて、
もどかしいけど、
ちゃんと通じてる二人・・・。


M『俺も・・・応援して叶うならいいのにな・・・』


抑えても、時々ふっとわきあがるあこがれの想い・・・。
好きな人が笑っているだけでいいやって思えるのに、
それだけじゃ・・・若干切ない想い。


M「じゃあ・・・行ってくるわ。」


ジャンバーを羽織り、
マイバックをポケットに突っ込み出ようとすると、


TYU「あ、じゅんくん・・・もしよかったら、俺付き合います。」

M「え、いいのかよ？」

TYU「はいっ！！」

M「あ・・・///っ、ああ・・・ありがと。」


まっすぐな瞳で見られる。
いつも大勢でワイワイする時とは違う、

初めて見る視線に
・・・一瞬ドギマギしてしまう。


RYO「あー、俺だって松本くんと行きたいわ。」

そう言われたのに、
なんだか反射的に、

M「あ、まぁ二人で十分だから、忠と行ってくるわ。」


そう答えて。


TYU「ほんまですか？嬉しいわ！！ということだから、行ってきますっ。」


なんだ、俺？


TYU「ほな、いきますか？」


すっと腕をとられ、動揺しつつも
なんかちょっと・・・あったかい気持ちになる。

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