でもやっぱり君がいい (ページ42)

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41.ある訳なくてページ42

Aside

｢暇すぎ｣

私は今

新幹線の中

東京に向かっております！

それにしても長くて

することが無い

｢東京か…｣

久しぶりの東京

マホトに会えるかも

｢なんてあるはずないけどね｣

でも、希望ってそう簡単に捨てられないんだよね

特に今回は

｢あ！そうだ！｣

私はLINEからマホトに電話をかけようとした

もしも会えるかもを待つんじゃなくて

会いに行けばいいんだって思ったから

｢やっぱ、無理だ｣

いつもあともう少しのところで

スマホに触れていた手が

離れてしまう

｢待つしかできないや｣

スマホの電源を切ろうとした時

｢あ、YouTube｣

ホーム画面にもどると

赤いYouTubeのアイコンが目に入る

マホトと別れてから全く見なくなったんだよね

見なくなったっていうか

見れなかったの方が正しいのかな

｢電話は出来ないけど見るだけなら｣

そう思いYouTubeをひらいた

｢あった｣

マホトの動画がすぐに見つかった

｢昔と全然変わらない笑｣

それは１年前と変わっていなかった

動画のスタイルや面白さは勿論

服のセンスとか喋り方だとか

性格までは動画だけじゃわからないけど

きっと変わっていないはず

マホトは私がいなくても同じまま…か

｢私も同じかな…？｣

車窓から微かに反射する自分の顔を見た

｢ってもう着くじゃん！｣

聞き覚えのあるBGMと共に

アナウンスが流れる

｢ついたー！東京！｣

その日の東京は

１年前の東京よりも

ギラギラと太陽が照らす

溶けるように暑い

そんな夏の日だった

｢確かこっちだったはず…｣

目的地までの道のり

なんか見慣れた場所だった

｢暑いから公園から行こ｣

日陰の多い公園から私は目的地まで行こうとした