でもやっぱり君がいい (ページ26)

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26.話すことはページ26

マホトside

俺はそれから全てのことを聞いた

中１の最後の方に学年でもモテていた男子に告られて女子からの嫉妬が始まったこと

それは日に日に酷くなっていったこと

いつしか男子にまで暴力を振るわれていること

今も続いていること

誰にも相談出来ずにいること

｢なんかいつの間にか感情さえも薄れてきちゃった｣

そう言いながら笑うA

その顔は辛そう

｢気づけなくてごめん｣

｢そんな謝らなくていいよ、マホトは関係ないんだし｣

そう言って俯いたA

瞳には涙が溜まっている

｢泣いていいんだよ？｣

俺がそう言うと

｢ううん！泣かないって決めたから｣

そう顔を上げて言う瞳は今にも涙がこぼれそう

｢ありがとう、マホトに話せて楽になったよ｣

｢いつでもまた相談しに来て、俺に出来ることなら何でもするから｣

｢それは心強い、私負けないから｣

本当に彼女は強いと思った

｢って！なんで勝手にカバンの中見てんの？！｣

帰ろうとしたAがファスナーが開いたスクールバッグを見てそう言った

｢あー、いやー、なんか面白いもの入ってないかなーと｣

ただただ好奇心で開けただけなのに

｢そんなのはいってないし！｣

結構怒ってるみたい

2人で顔を合わせると

お互い何故か笑がこぼれる

｢やっと人間っぽくなった笑｣

｢なにそれ笑でも、久しぶりかも、笑ったの｣

ファスナーを閉めてバックを持ち

｢帰るね、｣

｢わかった｣

｢ありがとう今日は｣

｢うん、こちらこそ｣

｢あのさ、｣

｢なに？｣

少し恥ずかしそうにしながら

｢また来てもいい？｣

と言ったA

｢もちろん｣

ふふっと笑って俺に顔を近づけ

｢じゃあ、改めてまたよろしく！｣

止まっていた心の時計がまた動き始めたみたい

｢よろしく！｣

それからAは俺に相談をしてきたりジンも一緒に遊んだりするようになった

そして、いつの間にか犬猿の仲になっていた

多分お互いに当時は本音でぶつかり合える人がお互いでしかいなかったからだろう

そして、いつの間にか彼女のことが好きになっていた