でもやっぱり君がいい (ページ18)

今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:52,046 hit

17.人見知りページ18

マホトside

確か俺達が出会ったのは桜が舞い散る前の春のことだったと思う

｢あれ？引越し？｣

俺が幼稚園生の時

隣の家に引越し会社が来た

｢あれは引越しじゃなくて引っ越してくるの｣

｢引越してくる？｣

｢そう、まほとくらいの子が来てくれたら友達になれるわね｣

幼い頃の俺は別にどうも思っていなかった

｢かあーちゃん！遊びに行ってくる！｣

｢あー！行ってらっしゃい！｣

そんなこと5分も経てばすっかり忘れていた

数日後

ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ

｢はーい！｣

突然家のインターホンが鳴った

｢すみません、突然！｣

｢お隣さん？｣

｢はい！隣に引っ越してきたものです｣

そこに立っていたのは美人な人

｢まーほと！ちょっときてー！｣

俺がドアから顔を出すと

｢あら、ごめんなさい｣

その美人な人の後ろに隠れた可愛い小さな女の子

きっとその美人な人はその子のお母さんなんだろう

｢この子隣に引っ越してきた子なの、仲良くしてあげて｣

｢ごめんね、この子凄く人見知りで｣

ずっとお母さんの服を持ったまま後ろに隠れてる

｢名前はなに？｣

俺がそう聞くと今にも泣き出しそうになり、お母さんに抱きつく

｢ほら、大丈夫だから｣

そうお母さんに言われて口を開いた

｢……A｣

雑音に混じって聞こえなくなりそうなぐらい小さな声でそう言った

まさかこの子があんなにまで暴言吐く子になるなんて誰も予想していなかっただろう

｢Aって言うの？｣

するとコクっと小さく頷いた

｢ごめんね、仲良くしてやって｣

俺もコクっと頷いた

けどその後一緒に遊ぶことは無かった