花散る前に雪よ舞え【太宰治】

6.防遏 ページ7

Aside






結局、其の入社試験大選考会では
『社内ニ於ケル厄介事ノ解決』
という谷崎くんの意見が採用されて







くじ引きで役割を決めようとするも私は








｢Aはノロマだから今回の考案を失敗させかねないけどいいのかい？
特に大切な役にあたったら｣




私はくじを引こうとしている手を止めた








そっか

足で纏になる、よね







｢太宰は無駄口叩くな
早く引け、朝比奈｣









｢あ、はい｣






本当にいいのかなあ

と思いながらも私はくじを引いた








｢えっと、｣




くじ運悪




｢５と６です…｣








｢ほら、矢っ張り｣




太宰さんは何か仕掛けたような笑みで私を見た









結局、私は明日の入社試験で太宰さんと国木田さんの3人で
新人さんを呼び出して爆弾魔にけしかけ、事件の解決に迫る役をすることになった









出来るかな








｢最近太った？重すぎないかい？｣







太宰さんと帰宅中

何時も太宰さんは私の車椅子を押してくれて有難い



まあ、私が遅いからだろうけど






｢ご、ごめん…
ケーキバイキング…行ったからかな｣








私はボソッと呟いた




すると、太宰さんは押してくれていた車椅子を止めた







｢誰とだい？｣









｢え?えっと…ナオミちゃんと春野さん｣








｢ふーん｣






再び車椅子を推し進めてくれる太宰さん







何か気に障る様なこと、したかな？






太宰さんは社員寮に私と住んでいてくれて
と云うか掃除係に任命してくれて


何時も夜が遅くなると一緒に帰ってくれる








｢これ以上重くなると車椅子押せなくなりそうだよ｣








｢っ…気をつける｣








明日からお菓子辞めようかな

7.無理→←5.劣等

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す