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5.劣等 ページ6

Aside





暫く、与謝野先生と会話を挟みながら会議室にいると扉が開いた







「おやおや、男三人ばかりゾロゾロと不景気な面揃えてどうしたんだい?
解剖希望なら結構だけど、今日は営業終了だよ」









入ってきたのは
太宰さんと谷崎くんと国木田さん







「与謝野女医
会議室で何されてるンです?」





谷崎くんは目をぱちくりさせてそう云った








「見ての通り新聞を読んでるのさ」









与謝野先生は手に持っている新聞をバサりと鳴らしてそう云った








「Aちゃんは?」









「えっと、読んでなかった本、読んでて」









「声小さすぎて聞こえないのだけど」







太宰さんは私に向かってそう云った







あ、また嫌われたかも



何回も云われたことだからきっと太宰さんも呆れてる筈


私の声、常に大きかったらいいのに






「本、読んでたっ!」







私は出来る限り声を張った









「ふーん、どれどれ」








「あ!駄目…!」






太宰さんは私からヒョイっと本を取った





見られなくない、見られなくない




恥ずかしい、恥ずかしい







太宰さんは私が車椅子なのをいい事に少し離れて私の本をパラパラとめくった









「か、返して欲しい…!」








私が車椅子で行くものの太宰さんは避ける一方









「A、顔真っ赤だけどそんなに見られなくないものなのかい?」









与謝野先生がそう云った



顔真っ赤?!






「な、なんというか…」








太宰さんはブックカバーを取るなりクスクスと笑った








「返してやれ、太宰」





国木田さんは太宰さんから私の本を取るなり私に返してくれた









「あ、ありがとうございます
国木田さん」









「嗚呼、太宰は朝比奈を虐めるのを辞めろ」





すると、次は与謝野先生が本を私の手から取った








「人見知りの治し方?」









「あああっ!!」






それを聞いた谷崎くんはクスッと笑った








「可愛い、Aちゃん」









「だ、駄目です…!」






題名読んだら駄目です!与謝野先生!



と心の中で唱えながら




私は届くはずもない与謝野先生の持っている本に車椅子から精一杯手を伸ばした








これはそう



中島敦__入社前夜の話

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 太宰治   
作品ジャンル:恋愛
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中二病メープル - 太宰さんツンデレ?好きな女の子には嫌がらせしたい的な。すっごく面白いです! (12月3日 9時) (レス) @page36 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 凄く面白かったです!これからも、更新楽しみにしてます!頑張ってください(*^-^) (2018年3月26日 16時) (レス) id: fb750e4c11 (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - 響華さん» あ!!お恥ずかしい…笑ありがとうございます! (2018年3月3日 21時) (レス) id: 170cdda07e (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - ウンディーネさん» ファンですか……?!こんな駄作に…ありがとうございます!頑張りますっっ!! (2018年3月3日 21時) (レス) id: 170cdda07e (このIDを非表示/違反報告)
響華 - said×→side○ (2018年2月12日 18時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なの | 作成日時:2017年11月2日 19時

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