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20.殺気 ページ21

Asaid







「緊張するなあ…」






「大丈夫だよ
私も初めて同然だし」







「おい小僧」






私と敦くんが話していると国木田さんが敦くんを呼び止めた








「不運かつ不幸なお前の短い人生に些かな同情が無いでもない
故に」







すると手帖から何か紙を取り出した国木田さん








「この街で生き残るコツを一つだけ教えてやる
こいつには遭うな
遭ったら逃げろ」






敦くんはその紙を手に取った







「この人は__?」








「マフィアだよ」






ひょいっと現れた太宰さんはそう云った



マフィア…か





紙を見たいけど車椅子だから見えない





多分写真かな






すると






「あ、済みません」






敦くんはその写真を落とした









「あ、取る」




ギリギリ取れそう




私は床に裏向きに落ちた写真を手に取った







無意識に其の写真が目に入る






その瞬間に私の意識は朦朧とした






視界が徐々に黒くなる








どうして…?


身体が意志に逆らってる







すると、肩に手を置かれた感覚がした







それと同時に戻っていく意識と視界








「あれ…?」








置かれていたのは太宰さんの手だった








「Aには見せて駄目だったかな」






太宰さんはそっと私の手から写真を奪ってそう云った







若しかして、本当の異能力がああした?

だとしたら太宰さんがもう少し手を出すのが遅かったら…
そう考えると恐ろしくて仕方なかった





云ってくれないと確信はできないけど






それを云わないのは太宰さんや国木田さんの優しさなのかもしれない









「名前は何て云うんですか?」






敦くんが話を続けた




私の事を話題に出さないのはきっと異能力だって気づいたからだろう



優しいな

しみじみ私の迷惑に付き合ってくれる皆の優しさを感じた



けど…私には罪悪感も同時に感じた







「芥川くん…」







「え?Aちゃん知ってるの?」








「あっ!」



私は急いで口を塞いだ


無意識って怖い


別の事を考えると無意識になってしまうのは私の悪い癖




「確かに芥川だよ
殺戮に特化した異能力を持つ者
軍警でも手に負えない」








敦くんの言う通り、私は芥川くんの存在を知っていた



ただただ有名だから


とかそう云うのじゃない








でも、如何して彼に




こんなにも今、私は殺気を抱いているのだろう





理由なんて

あったかな

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 太宰治   
作品ジャンル:恋愛
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中二病メープル - 太宰さんツンデレ?好きな女の子には嫌がらせしたい的な。すっごく面白いです! (12月3日 9時) (レス) @page36 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 凄く面白かったです!これからも、更新楽しみにしてます!頑張ってください(*^-^) (2018年3月26日 16時) (レス) id: fb750e4c11 (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - 響華さん» あ!!お恥ずかしい…笑ありがとうございます! (2018年3月3日 21時) (レス) id: 170cdda07e (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - ウンディーネさん» ファンですか……?!こんな駄作に…ありがとうございます!頑張りますっっ!! (2018年3月3日 21時) (レス) id: 170cdda07e (このIDを非表示/違反報告)
響華 - said×→side○ (2018年2月12日 18時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なの | 作成日時:2017年11月2日 19時

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