居 眠 り エ ス ケ ー プ 。【ツルネ】

2.幼馴染=？ ページ2

竹早side





「やっほー」




家の前で待っているとひょこっと顔を出した折川A

僕の幼馴染
そして、密かに想いを寄せてる相手


なんて、死んでも言えないけどね





「おはよ
今日は朝早いんだね
中学の時は、いつも遅刻ギリギリだったのに」




部屋着にパーカーを羽織っただけで、靴もサンダル、髪もぼさぼさ
それに加えて眠そうな目


まさに寝起きって感じ


まあ、そういう媚びてない感じが好きなんだけどね





「うん、今日は目が覚めた」




そういう静弥君こそ今日は寝起きがいいですね
と皮肉混じりに言ったA




「うん、卒業式に寝坊して遅刻してくるほど生憎寝起きは悪くないからね」





Aは、はあ…と溜め息をつくとクマに抱きついた




「静弥が虐めてくるから噛んできて」




そう言って、クロに言い聞かせているが通じるはずもなくて

クロはAに顔を擦り付けるばかり




「やっぱり、眠い」



うとうとしながら僕の隣を歩くA




「入学式早々、居眠りで注意されるんじゃない？」





「さすがに寝ないよ
静弥の晴れ姿は見納めないと」



と、彼女はぐっと胸の前で手を握った




「なんでそれ知ってるの？」




「んー…秘密？」



空を仰ぎつつそういった彼女はきっと説明するのが面倒なのかな




「あ、クマ」

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