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You Side
ふぅ、と息を吐いてサクラちゃんの隣に座って夕日の射す砂辺でお話。
サ「ナナさん、来なかったね」
「うん、そうらしいね」
サ「まだ続いてたんだ」
そう口にする、サクラちゃん。「いや、まだっていうより・・・またじゃない?」と顔を向けると彼女は首を傾げた。
あの日起きたこと、私はさなさんに直接話しただけでみゅうさんにも伝えてなかった。サクラちゃんもそれは同じで、顕嵐にすらあの日会ったことを伝えてなかった。
「あの、あとすぐに別れたらしいの」
サ「あのあとって?」
「私たちが彼女に会った直後?」
サ「そうなんだ」
だから、謙さんとハルさんの結婚式では二人は他人みたいに目を合わせず話さずだった。私はそれでいいと思ってた。だってあの人はさなさんと一緒にいるべきじゃない。
サ「ナナさんって結局何者なんだろう」
「知らない。とにかく、関わっちゃダメなのはわかる」
サ「・・・(苦笑)」
Aも真田くんの事大好きだよね、怖い妹みたい。と笑うサクラちゃん。
「見たでしょ、ナナさん薬指に指輪してた」
サ「・・・そうだね、」
「さなさんもさなさんだよ。あの人が好きだからって言われても全然理解できない」
サ「・・・」
結婚式のあの日、風磨さんが先生の側に居た彼女にやたら話しかけてたのは知ってる。それを、さなさんが助けてたのも見た。
「ただ、みんなに幸せになって欲しいだけなの」
サ「うん」
「さなさんに辛い思いなんてして欲しくない」
考えてみれば考えてみるほどナナさんと出会ったあとのさなさんは少し変わってしまった気がする。
サ「優しいね」
「はぁ〜、私が二人いればさなさんと付き合うんだけどな〜」
サ「コラ(笑)」
「みゅうさんには内緒ね」
サ「また悪い子って言われるよ?(笑)」
「ま、さなさんを好きになったところで振られちゃうかもだけど」
サ「理想が高いもんね(笑)」
中身はどうかわからないけど、ナナさんはめちゃくちゃ美人だし上品で奥ゆかしさがあって理想的な人。
「はぁ〜早くお酒飲みたい」
サ「ふふ」
「夜は近くで有名な鉄板焼き食べるって」
サ「楽しみ」
「めちゃくちゃ食べてやる」
サ「あははっ」
笑ったサクラちゃんと手を繋いで戻ろうとしたら、私たちの目の前をすごい速さで怜央くんが横切った。しかも、顕嵐をおんぶしてる。そんな顕嵐、めちゃくちゃ笑顔全開。
「いま、何が見えた?」
サ「え、小学生」
「(笑)」
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作者名:愛美 | 作成日時:2020年9月8日 23時