10 ページ14
You Side
足元に触れる波に、みんなの騒ぎ声。
ビーチボールが跳ねたりするのを横目に少し遠くのみゅうさんを見つめた。
みゅうさんが就職してから早4ヶ月で、最近は1週間のうちに1回会えればいい方だと気がついて留学後のあの時間は本当に特別だったなぁと再確認する。
働き者で100パーセントを出すみゅうさんだからいろいろ忙しいのは当たり前だけど、一緒に住んでるわけじゃないし前みたいにべったりする時間があまりにも少なくて寂しいのは否めない。
玄「A」
「ん?」
玄「赤くなっちゃった」
海で遊んでいたら急に頬を指差してそう口にした玄樹。
「日焼け止め塗った?」と返すと彼は「忘れちゃった」と微笑むので「だめじゃん」と彼の腕を引いて日焼け止めを頬に塗ってあげる。相変わらず甘えたでみんなのガールフレンド枠の玄樹だけどじんが居ない間は私がじんの代わりになってあげるしかないのだ。・・・これでも大事な親友だから。
玄「じんに電話するの楽しみだね」
「うん」
玄「戻ろ」
みんなが腰まで浸かるところで遊んでるのを見て玄樹と二人で波がちろちろ当たるくらいの場所で座り込む。
何気なくまたみゅうさんを見つめたらパッパラパーに囲まれて楽しそうに笑っていた。
去年のこの景色に、みゅうさんは居なかった。
だからこそ今年はすごく楽しいだろうな。
大好きな仲間達に囲まれたみゅうさんはずっとキラキラ笑ってる。
それがすごく嬉しいのに、なんだか寂しい。
「一緒に入ってくれるって言ってたのに」
せっかく久しぶりに会えたのに、みゅうさんが遠くて・・・恋しい。
3歳差ってこんなに大きいものなのかな?確かに年齢が近い者と一緒にいる感じなってしまうのはしょうがないよね。私だっていつメンとばっかり一緒にいるし、みゅうさんだってパッパラパーな仲間に囲まれちゃってる。私はミレイちゃんとかユウちゃんだったらみゅうさんの仲間達と一緒に楽しめたのかな?
そんなめんどくさい女の感情、こんなキラキラな海に似合わないのに。
サ「Aちゃん!こっちおいで!」
「あ、うん!」
サクラちゃんに呼ばれて立ち上がると「ちょっと休憩しよ!かき氷でも食べよ!」と腕を引かれるとみんなでゾロゾロ歩き出し海の家に入る。
顕「あぁすげぇキーンってする」
紫「夏といえばだよな、かき氷」
玄「おいしい」
91人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:愛美 | 作成日時:2020年9月8日 23時