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風「お前ら、堂々とイチャつくな!(笑)」
美「(笑)」
お隣のカップルにそう突っ込んだ風磨はまた視線を動かすと「おい、美勇人」と咄嗟に俺を呼ぶから顔を向けると「サクラちゃん、マジで綺麗だわ」とぽろっと零してサングラスをずらした。
上品の中に可愛らしさがあるラベンダーのオフショルダーのワンピース水着。肩の上で揺れるボブにラベンダーで揃えたカチューシャ。サクラちゃんらしいなぁ、と思えるその姿に風磨は「マジで25歳になったら付き合ってくんねぇかな」とそう口にすると、ため息を吐いた。その後ろにAの姿を捉えて俺は不意打ちすぎて「っ、!?」と言葉を失ってしまった。
風「Aちゃん可愛いな、お姫様スタイルだわ」
美「・・・、」
やばい。すごい可愛い。伸びてきて鬱陶しいと口にしてた髪はポニーテールで、前髪がふわっと風で揺れる。長袖で裾がふわっと広がっているバレエのレオタードに近いようなデザイン。ショートパンツにフリルが付いていて、めちゃくちゃ可愛い。ソフトなピンクで清楚感たっぷりで可愛くて、彼女によく似合う。
自分がどういう女の子か分かった上で服を選ぶのが上手だな、と思っていたけど・・・自分に似合うものが何か分かってるところ、すごくいい。
加えて、露出が少ないから、100点!と思っていたんだけど・・・。
「みゅうさんお待たせ」
美「A、」
「ん?」
背中は盲点だったわ、と思わず頭を抱えてしまいたい。みんなから外れるように彼女の手を引き大胆に開いた背中を見つめて「こんなの日焼けしちゃうよ」と口にしながら後ろに立った。
「え、だって日焼けしてもいいし」
美「いつも気をつけてるじゃん」
「けどもうバレエしてないし、今日ぐらいはいいかなって」
美「うーん」
「ごめん、なんかダメだった?」
眉を垂らすAが不安そうにそう口にするから「いや、可愛いよ。可愛いんだけど」と慌てて口にすると「みゅうさんが嫌かなと思って露出少なめにしたんだけど間違いだった?」と俺を見上げる。
美「ううん、違う違う。合ってる大正解」
「・・・そう?」
俺を思ってこのデザインを選んでくれたんだ、と知って小さく「すげー可愛いよ」と口にしたらAは嬉しそうに微笑んだあと「・・・黒じゃなくてごめんね?」とちらっと俺を見た。
美「それは俺以外に見せちゃだめなやつ」
「(笑)」
美「まったくもう」
「へへ」
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作者名:愛美 | 作成日時:2020年9月8日 23時