泣き虫【BLUE ENCOUNT/田邊駿一】 ページ9
田邊side
今日は新曲のレコーディングで終日スタジオに籠る。
「じゃあボーカル録りまーす」
レコーディングは順調に進んでいた。
はずだった。
「おい田邊！大変！」
「え？江口どうした？」
「Aちゃん持病の発作起きて救急車で病院に運ばれたみたい」
「な...！嘘だろ」
「お前もう録り終わっただろ？病院向かいな」
「わかった。ありがとう」
俺は急いで荷物をまとめて、Aが運ばれた病院へ向かう。
Aは持病があってたまに発作を起こすのだが、倒れたということは今までなかった。
「A...！」
「あっしゅんくん」
「お前大丈夫かよ...もしかして今朝も無理してた？」
「無理してないよ...しゅんくん今日レコーディングだったんだよね？迷惑かけてごめんね」
「迷惑なんかじゃないよ、もう録り終わってたし...そんなことより身体は？」
「さっきよりはだいぶん楽になったかなぁ...
うっ...ゴホッゴホッ」
「A...！」
今朝は元気にいってらっしゃいと俺を見送ってくれたAが、今こんなに弱っている。
俺がもっとAのことを気遣ってあげることができていたら、こんなことにならなかったのかもしれない。
もうかれこれ3年一緒にいるのに、気づいてやれなかった自分が情けなくなった。
「ちょっと...しゅんくん泣かないでよ」
「だって...俺ほんとに無力だなって、」
「ほんとしゅんくんって泣き虫」
Aはそう言って拳で俺の頭をこつんとする。
でも力が入ってないから全く痛くなくて、それがまた俺の胸を締め付けた。
「ねぇしゅんくん笑ってよ、そうしたら私早く治るかもしれないしさ」
「うん...ごめんな、こんな彼氏で」
「いいんだよ。それだけ私を想ってくれてるってことでしょ？嬉しいな」
Aは少し照れたような様子でそう言った。
俺はAが愛おしくてたまらなかった。
「なぁA」
「なぁに？」
「Aが退院して、元気になったら、
俺と結婚してくれませんか？」
Aは一瞬驚いた表情をしたが、
さっきのあの笑顔に戻った。
「しゅんくん、ありがとう、嬉しい。
こんな私で良いなら、よろしくお願いします」
「わぁぁA〜」
「ちょ！また泣かないの！笑」
さっきの涙はAを守ってやれなかった悔し涙。
でもこれからは、どんなことがあってもAを守り抜いてやろう、そう誓った。
いとこ【KEYTALK/小野武正】→←門限【ORAL/山中拓也】
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ゆずぽん(プロフ) - ちさとさん» お返事遅くなりました！読んでいただきありがとうございます！続編のほうでsumikaのおはなしをまた書こうと思います^^ (2019年11月24日 2時) (
レス) id: 33055f6345 (このIDを非表示/違反報告)
ちさと - sumikaの片岡さんとおがりんの話、最高でした!!もちろん他のも良かったですよ!!私の妄想を盛り上げてくれて本当にありがたいです(笑) (2019年7月28日 15時) (レス) id: 11c343a2b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずぽん(プロフ) - つぐみさん» わざわざコメントありがとうございます！遅くなってすみません。まだ読んでいただけていて嬉しいです(;_;)今後もどうぞよろしくお願いします (2019年2月7日 2時) (レス) id: 2549215dd1 (このIDを非表示/違反報告)
つぐみ(プロフ) - こんばんは！リクエスト作品読ませて頂きました。ちょっと強引な巨匠…良いですね…！ドキドキでした！素敵な作品をありがとうございました。これからも作品楽しみにしています〜！ (2019年2月2日 20時) (レス) id: 8081f21b91 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずぽん(プロフ) - つぐみさん» つぐみさん、返信が遅くなってしまってすみません。コメントありがとうございます！私の変な妄想にお付き合いいただきありがとうございました...笑 私もそんな感じの巨匠好きなのでまた投稿しますね^^ (2018年9月5日 1時) (レス) id: 2549215dd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆずぽん | 作成日時：2017年7月24日 0時
