どんな君も大好きだ。

帰省【KEYTALK/寺中友将】 ページ5

巨匠side



事務所から、休みを3日もらった。
俺はその休みを使って熊本へ帰省することにした。

今日の夜は飲みに行くけど、俺が熊本に帰ってくるということで何人か友達が集まってくれてるみたいだ。

なんか申し訳ないなぁ...


空港に着いてから電車を乗り継ぎ、
実家に寄ってから居酒屋に向かう。








「うっす！」


「おぉ〜！友将！！」


「お疲れ！お前めっちゃ久しぶりじゃん！」








そこには男女問わず、高校の時同じクラスだった同級生がたくさん俺のことを待っていてくれた。
なんだか照れ臭い。








「友将くん...！久しぶり！」


「ん...？お前は...」


「ふふっ、覚えてる？笑」


「あっ！Aか！」


「そうでーす！正解！
忘れられてたらどうしようかと思ったよ笑」


「いやその...一瞬誰か分からなかったわ、すまん笑」


「えぇーひどい！笑」








俺の前に現れたのは、高3の時のクラスメイトのA。

クラス替えしてすぐ、俺がひと目惚れして告白てOKもらえたから付き合ったんだけど、
付き合ってちょうど1ヶ月のとき、Aから突然振られて別れた。

振った理由は教えてくれなくて、その後ずっと気まずくて、結局卒業するまでお互い話せなかった。

俺にとって初めての彼女でもあったから、Aは俺の心の中にずっと残っていた。


約10年ぶりに見る彼女は、高校の時のあどけなさは消えていて、すっかり大人の女性になっていた。
胸元の大きく開いたシャツに少しドキドキしてしまう。







「私たち、話すの別れて以来だよね？」


「あぁ、そうだね...」


「あのさ、私あの時突然友将くんのこと振っちゃったでしょ？
あれね、ちゃんと理由があって...」






Aは深く深呼吸する。
その後に俺の目を真っ直ぐ見つめた。






「私、人に告白されたの友将くんが初めてで。
もちろん付き合うのも初めてだったから、友将くんのこと好きだったんだけど、どうやって接したら良いか分からなくて。
あと友将くん女の子から人気だったからさ。
私なんかじゃなくて、もっと可愛い女の子と釣り合うんじゃないかと思って、自分に自信がなくなっちゃったから、別れ話をしたの」






Aはひと息で俺にそう言う。






「なんだ、そんなことが理由だったの？」


「え？」


「いや、俺だってAが初めての彼女で自信なかったからさ...
同じだったんだなぁって思って」

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