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2度目の沈黙。
もう話せるようなことないや、どうしよう。
でもひとつ聞きたいことがあるかも。
「首藤くんはなんでいつも授業中寝てるの?」
「あー単純に眠いからだよ笑 」
「いや、でもいつも寝方が尋常じゃないっていうか...
最初から授業聞く気ないでしょ?」
「んー...まぁ、ないっちゃないかな」
「何それ笑 迷惑かかるの私なんだからね!
私じゃなくても他の人にもノート見せてもらったら良いのに」
「違うんだよね、」
「ん?」
「Aちゃんが良いんだよね。
迷惑かけてしまってるなら本当に申し訳ないんだけど、俺はAちゃんにノート見せてもらいたいの。
そうしなきゃ、話すきっかけがないでしょ?」
それまでずっとうつむき気味だった彼が、
ゆっくり私の方に顔を向けた。
「俺、Aちゃんのことが好きなんだと思う」
彼にまっすぐ見つめられてそう言われた私は石みたいに固まってしまう。
「な、なんで」
「なんでって好きだから」
「理由になってないし、なんせ私首藤くんのことあんまり知らない」
「そういうところ」
「え?」
彼はベンチからさっと立って、左手を私に向けた。
「教えてあげたいし、知って欲しいなぁって思うの
そろそろ時間じゃない?バイト先まで送るよ」
「うん...」
やっぱり首藤くんは不思議だ。
私にとって分からないことだらけだ。
「あのさ」
彼はそう言ってカバンの中をごそごそと漁る。
「これ俺がやってるバンドのチケット。
今度の日曜日なんだけど、よかったら来てほしい」
「えっ首藤くんバンドしてるの?」
「え、してるけど笑
まいったなぁ、それさえも知ってくれてなかったのかぁ笑 」
「ごめんって笑
たぶん空いてるから観に行くね」
「ありがと。あと首藤くん呼びやめて 」
「えーじゃあ何て呼んだら良い?」
「義勝くん」
「わかった!」
いろいろと話しているうちにあっという間にバイト先に着いた。
「送ってくれてありがとう、あと奢ってくれてありがとね、美味しかった!」
「俺こそありがとう、じゃあバイト頑張って」
「うん、ばいばい!義勝くん!」
私がそう言うと、義勝くんはあたふたと分かりやすく動揺した。
耳元が少し赤いような。
「うん、ばいばい、また明日、!」
そう言い残し足早に去って行った彼。
可愛いなと思う自分と、早く明日になることを願う自分がいた。
王子の前夜【BIGMAMA/金井政人】→←おごり【KEYTALK/首藤義勝】
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ゆずぽん(プロフ) - ちさとさん» お返事遅くなりました!読んでいただきありがとうございます!続編のほうでsumikaのおはなしをまた書こうと思います^^ (2019年11月24日 2時) (レス) id: 33055f6345 (このIDを非表示/違反報告)
ちさと - sumikaの片岡さんとおがりんの話、最高でした!!もちろん他のも良かったですよ!!私の妄想を盛り上げてくれて本当にありがたいです(笑) (2019年7月28日 15時) (レス) id: 11c343a2b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずぽん(プロフ) - つぐみさん» わざわざコメントありがとうございます!遅くなってすみません。まだ読んでいただけていて嬉しいです(;_;)今後もどうぞよろしくお願いします (2019年2月7日 2時) (レス) id: 2549215dd1 (このIDを非表示/違反報告)
つぐみ(プロフ) - こんばんは!リクエスト作品読ませて頂きました。ちょっと強引な巨匠…良いですね…!ドキドキでした!素敵な作品をありがとうございました。これからも作品楽しみにしています〜! (2019年2月2日 20時) (レス) id: 8081f21b91 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずぽん(プロフ) - つぐみさん» つぐみさん、返信が遅くなってしまってすみません。コメントありがとうございます!私の変な妄想にお付き合いいただきありがとうございました...笑 私もそんな感じの巨匠好きなのでまた投稿しますね^^ (2018年9月5日 1時) (レス) id: 2549215dd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆずぽん | 作成日時:2017年7月24日 0時