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目が覚めた。
外の光が少しだけカーテンから漏れている。
横には、寝息をたててすやすや寝ている人がいる。
達央さんの目元にかかっている髪を触る。
さらさらな綺麗な髪、男らしい眉、整った鼻筋、白い肌、赤い唇。大きな瞳は、閉じている。
達央さんを起こさないように、そっとベットから降りる。
達央さんのTシャツを着て、軽く伸びをする。
最近、年齢を感じてしまうことが多くなった気がする。
腰が軽く痛い。
達央さんを見る。すやすや、可愛い。
主『達央さーん…』
少し揺さぶってみる。起きない。
まあ昨日は凄く迷惑をかけちゃったもんな。
諦め、寝室のドアを開ける。
リビングは肌寒かった。
現在時刻、8時47分。快晴だ。
ソファに向かう。
・
主『…ぎゃっ』
ソファには私の仕事着が散乱していた。
ハイヒールも何故かそこに転がってる。
ソファの下にあるティッシュは踏んだ跡のような凹みがある。
主『うわあああ…やっちゃった…』
その場にしゃがみ込む。
達央さんにはちゃんと謝っとかないと…
取り敢えず、服を片付け、ハイヒールを玄関に置きいた。
・
一つ、息を吐く。
出会って数日。隣人に、抱かれた。
相手は、芸能人。
・
主『私、凄い人と関係になっちゃったなぁ…』
今までこんな事は無かった。
そういう関係を持ったのも、大体合コンで知り合った対して男らしくもない、なんの刺激もない人だった。
付き合っていた人も、そうだった。
主『…強引な、ヒト』
今までにも、そんな人は何人もいた。
だけど、その人達と、あなたは全く違う。
主『強引で、優しくて…』
あなたは、強引。だけど、その強引には、あなたの強い意志が込められている。
私の頬を包んだあの手にも、私を見つめたその瞳にも、甘く、低い、その声にまで。
・
その強引という魔法にかけられたら、
もう、オシマイ。
・
主『…っ…』
胸がいっぱいになる。
・
強引な野獣さんにかけられる魔法は、
はなれない。
・
主『…たつ、ひささん』
・
あなたの魔法、どうやらかかっちゃったみたいです。
責任取ってくださいね?
・
・
・
主『…好き』
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九龍(プロフ) - オリジナルフラグ外してください。編集ページから外せます。 (2017年3月25日 18時) (レス) id: 9aa08c413a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ホソヤサーン | 作成日時:2017年3月24日 14時