強引な君

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アラームが鳴る


時刻午前9時30分




主『…………ん………ふぁあ』




眠い。それだけ。



思い体を起こし、洗面台までヨタヨタ歩きながら向かう。



今日は、雨だ。





気分が全くのらないが、今日は午後出勤なのでまだよかった。



顔を洗い、髪を溶かし、顔を軽く叩く。




主『…よし。』







朝食は食べずに、あとでコンビニでご飯を買って、会社で食べよう。今日は、何故か凄くオシャレしていきたい気分なのだ。


メイクにも、服選びにも、髪のセットもにも、いつも以上の時間をかけたい。そう思ったのだ。


時間のゆとりか、自分に自信を持たせたいのか、わからないが。




現在9時41分。出勤時間の予定は10時45分。



うし。女磨くぞ。





下地クリームをつけ、ファンデーションをのせる。
アイシャドウは大人っぽく、アイラインは茶色のものを。マスカラもいつもより多めに塗る。チークは淡いピンク。リップはくすみ色の赤を。そして、最後にハイライトをつけ、終了。


服もいつもは、白シャツにハーフパンツでシンプルだったけど今日はフリルの付いた白いブラウス、そして、黒のスカート、金のネックレス、金のピアスも久しぶりに付けてみた。


髪も緩く巻いて、くるりんぱのポニーテールにしてみた。ピアスが良く見える。







自分でもテンションが上がってきた。
ふふふ、私こんなに変われるんだぜすごいやろ的な事を自分の心の中で妄想し、ニヤニヤする。



おっと、キモイキモイ。




お気に入りのカバンを肩にのせ、準備万端。






現在時刻、午前10時41分。


私まじ出来る女。





こんなに出勤前ウキウキしていることはあるだろうか。




黒いハイヒールを履き、とてもいい気分でドアを開ける。









今日は雨だけど、とてもいい日になりそう。









29歳独身、うかれながら外へ出た。


そんな矢先だった。









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達「……あれ、カナちゃんじゃん。」









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前言撤回。









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エレベーターから出てきた人はーーー

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