記憶の欠片 やっつめ ページ9
ジェットコースターにコーヒーカップ、メリーゴーランドにミラーハウス。様々なアトラクションを楽しんだ。
長時間並ぶようなアトラクションでも、Aと話していれば待ち時間なんて気にならなかった。
ちなみにお化け屋敷は絶対に嫌だと拒否された。まぁ、僕も得意じゃないから入るつもりはなかったけれど。
「やっぱり楽しい時間ってあっという間だね」
「そうだね」
「あと1つだけなら、アトラクションに乗れそうだけど、なにか乗りたいものある?」
「定番だけど観覧車かなぁ」
立ち止まってる時間が勿体ないから、歩きながら目的地を決める。観覧車なら待ち時間もなく乗れたはず。
「いいよ。観覧車に乗ろう」
「観覧車はあっちだって」
「じゃあ行こっか」
*****
観覧車のある場所へたどり着けば、やっぱり空いていて、すぐにゴンドラに案内された。
向かい合って座れるのに手を繋いだまま隣に座って外を眺める。
「ねえ、真冬」
しばらく景色を眺めながら、ぼーっとしていると不意に声をかけられた。
「どうしたの?」
「あのね、わがまま言ってもいいかな?」
「いいよ?」
「明日はね、海に行きたい」
「海?」
「そう、海。最期は海が見たい」
「......そっか。じゃあ海に行こう」
"ありがとう。"そう言って笑った彼女の顔は夕日に照らされて、いつも以上に綺麗に見えた。
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あいろ - 涙が、、、、とってもいい作品でした! (2019年10月13日 8時) (レス) id: 7961ad3a74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あおい | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aoihomupe/
作成日時:2019年7月2日 15時