記憶の欠片 とおあまりみっつめ ページ14
真冬へ
真冬がこの手紙を読んでいるという事は、きっと私はもうこの世にいないんだろうね。
最後の最後まで私のわがままに付き合わせちゃってごめんね。
真冬は優しいからいつも私のわがままに、嫌な顔ひとつせずに付き合ってくれたよね。
とても嬉しかったです。
ありがとう。
あの日、どうしていいか分からなくて咄嗟に思いついたのは真冬に助けを求めることでした。
真冬ならなんとかしてくれると思ったんです。
真冬が"一緒に連れて行って"と言った時、本当はどうしようか悩みました。
真冬は私のヒーローだから。
そんな真冬を私のわがままであちら側へ連れて行くのは嫌だったんです。
真冬には生きていて欲しい。
私の分まで世界を見て欲しい。
そんな身勝手な願いで真冬を置いて先に逝くことを許してください。
真冬に相談しないまま秘密にしたまま逝ってしまうことを許してください。
真冬との最期のお別れで、悲惨な別れ方をしてしまうことを許してください。
ごめんなさい。
私のわがままを許してください。
残される方の気持ちも何も考えていない私のわがままを許してください。
だけど私は、どうしても真冬には生きて欲しいんです。
死んで欲しくないんです。
だからどうか私の分まで生きてください。
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あいろ - 涙が、、、、とってもいい作品でした! (2019年10月13日 8時) (レス) id: 7961ad3a74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あおい | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aoihomupe/
作成日時:2019年7月2日 15時