夏の記憶【まふまふ】 (ページ1)

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記憶の欠片集めのはじまりページ1

梅雨時の今日は、まだ少し早い時間帯にも関わらず窓の外は真っ暗で土砂降りの雨だった。

そんな日に僕の家のチャイムがなって外へ出てみると、傘もささずにずぶ濡れになった幼馴染がいて。

「ずぶ濡れだし何があったの！？タオル取ってくるからちょっと待ってて」

そう言ってずぶ濡れの彼女にタオルを渡そうと脱衣所の方に向かおうとした。でもそれはできなかった。縋るような瞳をした彼女に腕を掴まれて動きを止められたから。

「まふ......。ねぇ、まふたすけて」

夏が始まったばかりだというのに彼女は酷く震えていた。

焦っているのか呼び方も"真冬"から昔の呼び方の"まふ"に戻っている。

「落ち着いて、まずは深呼吸しよう？それから何があったか教えて？」

彼女はまるで何かに怯えているようにも見えた。

だから僕はまずは落ち着くよう促す。

だけど彼女は僕の声なんて聞こえてないみたいにそのまま話し出したんだ。

「ねぇ、まふどうしよう。私、わたし......」

そしてその口から飛び出した言葉は____。

"人を殺しちゃった......。"

その言葉は彼女が発した言葉として受け止めるにはとても信じられないものだった。

これはそんな信じられない話から始まる、とある夏の日の記憶____。