19… ページ19
『お姉。』
『もう車来てる。行くで。』
ここにAがいるのが見えんかのように俺の腕をグイグイ引っ張るお姉。
『待てや！！話の途中やねん！』
振り払ってAのとこに戻る。
『ごめんな。もっと早く言えんで…』
何も言わず、ただ涙を浮かべて立ち尽くしている。
『ほんまに…ごめん。ごめん。』
一生懸命、事を理解しようとしているように見える。
無理や。俺でさえまだ理解できてないのに。
「もう、会えへん…？」
『ごめん…。』
「嫌や。嫌。行かんでよ！」
俺にすがりつくAをそっと離しておでこに短いキスをした。
『好きや。ガキの時からずっと。』
黙りこんだのをいいことに小さい体を俺の腕の中に閉じ込めた。
…泣いていた。
『とも。』
しつこいお姉の声。
『じゃあ、行くから。またな？』
何も言わなかった。何も返してくれなかった。
あいつの温もりをしっかり抱きしめて車に乗り込む。
もう限界だった。
車が走り出す。
そこでやっと気づいたかのように車を追いかけるAの姿。
泣きながら何か叫んでいた。
雫が俺の頬を滑り落ちていく。
最後に聞こえた空に花が咲く音は、
今までより何倍も大きかった。
ーーーーーーーーーーーーーーEND
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あほの子 - たっちゃんと神ちゃん、両方好きなのでこのお話を読むことができて嬉しいです。 (2017年12月10日 18時) (
レス) id: da2d0b67d7 (このIDを非表示/違反報告)
はまぁゆ - うううううう !! 最後切ないな ~ !! >< (2016年8月16日 8時) (レス) id: 2f8032d760 (このIDを非表示/違反報告)
はまぁゆ - 新作おめでとう！純愛も好きよー← 頑張って♪ (2016年7月9日 17時) (レス) id: 012b670f05 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カジャ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kajya1734
作成日時：2016年7月8日 19時
