【刀剣乱舞】歪んだ先に (ページ29)

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うページ29

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嗚呼……

寝ている顔も可愛らしい。

この何色にも染まらない綺麗な黒髪。
するすると指の隙間を通っていく様は、まるで絹のようだ。

たが、つまらない。
寝ているだけでは、君の色んな顔を見る事が出来ない。

嗚呼……早く。早く目を覚ましてくれ。

退屈で、心が死んでしまいそうだ。

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君は今、俺しか見ていない。

俺を恐怖し、嫌悪している。

堪らないなぁ。
首を絞められ苦痛に歪む顔も、俺を必死に拒絶し睨み付ける姿も。

全てが全て愛しい。

約束を破った事には、腹が立ったが、こんなに良いものが見れたんだ。

少しは、譲歩してやろう。

一気に欲張って壊れてしまっては、大変だからな。

しかし、まぁ……君には、随分と黄金色の瞳が似合う。

なんの汚れも知らないような白い肌にその瞳は、よく映える。
薄暗い部屋に淡く輝く瞳は、とても幻想的だ。

その瞳から零れ落ちる小さな雫。

──刹那

壊したい。滅茶苦茶に壊してやりたい。という欲が生まれた。

いつからかだろう、こんなにも歪んでしまったのは。

だが、それは紛れもなく君のせいで。
とうの昔に、“普通”に戻ることなんて諦めた。

『嗚呼……なんて可哀想なんだ。神に好かれた人の子は』

＊