【刀剣乱舞】歪んだ先に (ページ19)

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たページ19

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────『俺の名は、鶴丸国永』

囁かれた名前は、決して大きな声ではなかったが何故か耳に残るものだった。

そして、同時に溢れ出る大量の記憶。

「ぃ、ッ、あぁ…あああああ！？！？」

幼い頃の忘れかけていた思い出が大波のように押し寄せて、頭を刺激する。

割れてしまうのではないかと錯覚するぐらいには激しい痛みだった。

ふっ、と意識が遠退いたことに気づいたのは、次に目を覚ました時だった。

「う、っ…」

目を覚ますと、懐かしい湖が目に入る。

キラキラと光を反射する湖は、まるで“現実”ではないような美しさを醸し出していた。

どうして、こんなところに……？

「起きたのか？」

真上から声をかけられ、全てを理解する。

「～っ！」

「いきなり倒れるから驚いたんだぞ。全く……こんな驚きは懲り懲りだ」

弱々しく呟いた鶴は、そのまま私をぎゅーと抱き締めた。

彼の腕のなかで眠っていた私は、逃れることも出来ずされるがまま。

『つる……』

思い出した、昔のあだ名を呼んでみた。

「……！思い出してくれたのかっ！！」

「うん…」

「そうか！良かった」

歓喜と安堵をのせた声音。

そして……寂しかった、と最後に儚く呟いた。

＊