【刀剣乱舞】歪んだ先に (ページ13)

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るページ13

＊

「それ……」

「どう？綺麗じゃない？」

そう言いつつ、簪を髪の毛に滑らせていく、お母さん。

それにしても
どうして懐かしいと思ったのだろう。
とっても不思議だ。

「あら！よく見たら、この簪、鶴の模様が描かれてるわ。洒落てるわね」

──ドクンッ

心臓が大きく跳ねる。

鶴……？

──ドクンッ

さっきより大きくなる鼓動。

ツル…？

──ドクンッ

だんだんと苦しさを覚え、胸元に手をやる。

『つるー！』

──ドクンッ！

記憶の中で幼い私が彼を呼んでいたあだ名だ。

まさかまさか

この簪って、あの“鶴”に貰ったやつじゃ……

『嗚呼、やっとか……。やっと思い出してくれたか。愛しい、愛しい俺の──』

『待っていたぞ。ずっとな』

『やっと会えたんだ。今度は──ない。絶対な』

「っ！」

頭のなかに直接流れてくる。

「どうしたの？」

「な、なんでもっ…ないよ！」

「そう？もしかしたら久しぶりの長旅で疲れたのかもしれないわね。一旦、休みましょうか」

じゃ、お茶の時間にしましょうと言って向こうに行ってしまった、お母さん。

しかし、それどころではない。

鼓動が早鐘のように打って、とても苦しいのだ。

＊