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「…………はい?」
あまりにも意味不明すぎる答えにメガネがズレた。
…は?今「もん」とか言ったか?小日向が?
いやそれは置いといて、手伝わせてくれないって…
いつも教室の隅で凛と背筋を伸ばしていた深窓の令嬢は、余裕がなさそうにわたわたと続ける。
『私がまだ子供だからってちょっとでも危険が絡むようなことはなにもさせてくれないの!
降谷さんが潜入してる組織のこともなにも教えてくれないし手伝わせてくれない!』
「え、ちょ、」
『隣で見てたらその潜入調査がいかに大変で降谷さんを疲れさせてるのかわかるのに、私はなにも出来ないの!
私は降谷さんの力になりたくて公安の協力者になったのに!』
「待っ、あの、」
『あの組織をぶっ潰してやりたいのに降谷さんは手を出させてくれない!
なにもさせてくれないなら工藤の方に手を貸した方がずっとましじゃない!それで結果組織を潰せて降谷さんの負担が減るなら私は工藤に賭ける!』
「ちょっと小日向、」
『なに!?これが理由だけど!?
そうだよ工藤のためとか言って降谷さんのためだよ私は降谷さんのために工藤の協力者になるって言ってるの!悪い!?』
凄まじい勢いで終えられた宣言に目が点になる。
最後は最早開き直りもいいとこだった。
な、なんだ今の…本当にこれが小日向なのか…?素はこうなのか…?ただの女子高生じゃないか。
怒涛の降谷さんコールに頭を抱える。これじゃまるで…
「なんだよ、お前安室さんのこと好きなのか?」
特に本気で言った言葉でもなかった。
小日向の方も見ずに、軽口として口にした。
しかし彼女は、キョトンと目を丸め、そしてみるみるうちに顔を赤く染めた。
『……えっ?』
「…え?」
『いや、あの…』
「は…?お前まさかまじで…」
『な、なによ!!工藤には関係ないでしょ!?
釣り合わないことくらい叶わないことくらい私だってわかってるし!別にいいでしょほっといてくれる!?』
「……すみません」
必死すぎる返しに思わず謝ってしまった。
女子高生だ。ただの恋する乙女だ。
すまし顔の普段とのギャップが激しすぎて頭がついていかない。
彼女はコホンと咳払いをした。
『…うん、まぁそういうことだから…』
「…あのさ小日向、」
『Aでいいよ。小日向の名前は嫌いだから』
そう言って彼女は、俺に手を差し出して笑う。
「目的は一致してるでしょう?信用してよ、工藤」
俺はその手を見つめ、小さく息を吐いて握った。
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紅个 - 面白いです! 頑張ってください。 (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
紅狐 - ◎ (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
紅湖 - 面白い (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - はい!降谷さん格好よく書けてます!!大好きです!!良かったらボードで話しませんか?降谷さん語りましょう!! (2019年4月8日 16時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 1さん» ありがとうございますー!続編でも頑張りますね!よろしくお願いします! (2019年4月5日 21時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2019年3月3日 21時