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降谷side
｢バカかお前は！！｣
まず最初に口から出たのはそんな言葉だった。
彼女の肩がビクリと揺れる。割れた窓の破片が月明かりを反射した。
｢なんでもっと早く俺のことを呼ばなかったんだ！
つけられてることに気づいたならすぐに電話でもかけてくればよかっただろ！！｣
本当はさっきからずっと思っていた。
危険が迫っている時に俺を頼らなかった。しかも電話をかけたのはコナンくんだった。
それが無性に気に入らなくて、壁際でへたり込んでいる彼女に詰め寄る。
しかし、Aは呆けたような表情で固まっている。
彼女の瞳が１度だけ瞬く。
そして次の瞬間、その顔がくしゃりと歪んだ。
『う…っ』
｢え｣
丸い瞳に大粒の水滴が浮かぶ。
それに気づいた１秒後には、もう涙はボタボタと頬を伝っていた。
『う、うぅぅぅ…っ！！』
｢えっ？！ちょ、A、｣
Aの涙が汚れた床に染みを作る。
予想だにしていなかった反応にあたふたして、どうすることもできずに彼女の前に膝をつく。
けれど、そのおかげでようやく目が覚めたような気がした。
頭に上っていた血が冷えていく。
晒された胸元が目に入って、見ないように上着をかけた。
…なにやってるんだ俺は。
バカはどっちだ。さっきまでナイフを突きつけられていた女の子を怒鳴りつけるなんて。
車の中で自分で言ってたじゃないか。
この子は普通の子だと。
怖くなかったわけがない。今まで泣いてなかったのが不思議なくらいだ。わかっていたはずなのに。
手前勝手な幼稚な理由でそれすら忘れるなんて。
｢…悪かったよ、ごめん｣
泣きじゃくるAを緩く抱き寄せて背中に手を回した。
けれどAは俺の腕の中で首を振る。
嗚咽に混じって『ごめんなさい』と聞こえた。
『迷惑、かけて…っごめん、なさい…！』
｢………｣
届いた言葉に腕の力を強める。
この時になってもまだそんなことを言うのか。
｢…やっぱりバカだよ、Aは｣
本当は、誰よりも先に頼ってほしかっただなんて。
これは、この気持ちは、ただの俺のわがままだ。
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紅个 - 面白いです！ 頑張ってください。 (7月18日 9時) (
レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
紅狐 - ◎ (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
紅湖 - 面白い (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - はい！降谷さん格好よく書けてます！！大好きです！！良かったらボードで話しませんか？降谷さん語りましょう！！ (2019年4月8日 16時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 1さん» ありがとうございますー！続編でも頑張りますね！よろしくお願いします！ (2019年4月5日 21時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2019年3月3日 21時
