truth �� ページ37
ポカポカと暖かい天気に、窓を大きく開いた。
いつの間にやら春になったらしい。
どこかから飛んできた桜の花びらが吹き込んできたけど、なんとなく拾わずにそのままにしておいた。
ポットが任務完了を伝えるのが聞こえ、つかの間の日向ぼっこを切り上げてインスタントコーヒーにお湯を注ぐ。
１人で散々泣いた夜はあんなに寒かったのになぁ…
なんて思いながら新聞を手にした。一面記事の見出しは｢あの高校生探偵が事件を解決！｣と伝えている。
あ、工藤新一だ。見るのは随分久しぶりな気がする。事件が起こったのはまた米花町か、と苦笑いしながら記事を読んでいく。
…探偵といえば、最近コナンくん見かけないなぁ。
そんなことを考えていた時のことだった。
いきなり部屋の中にピンポーンと呼び鈴が響いた。
あれ、誰だろう。なんか頼んでたっけ。
コーヒーカップを置いて玄関まで駆ける。
もう１度鳴ったベルに『はーい！』と返事をしながらドアを開けた。
その瞬間、目に飛び込んできた色に目を疑った。
｢…久しぶり｣
『なん、で…』
彼の背後でふわりと桜の花びらが舞う。
優しい金色が春のお日様の光に照らされる。
もう見ることはないと思っていたブルーが緩く細められた。
｢ようやく全部終わったんだ。だから迎えに来た｣
『なに言って…』
｢組織は壊滅させた。後処理も一段落ついた。これでやっと君に会えると思って｣
そう言いながら彼はドアを大きく開いて部屋の中に入ってくる。
状況がうまく飲み込めないまま、後ろに下がって距離を取った。
『…なんで来たの』
｢言いたいことがあったからだ｣
『もう会わないって言ったじゃない…！』
｢ああ、聞いたさ。でも俺は言ってない｣
淡々とそう返す彼に唇を噛み締める。
なんで今頃になって…！
『何回も言わせないでよ！私があの時なんのために…！』
大きな声で続けようとしたら、その前に彼に右手を掴まれた。
｢A｣
『……っ！』
大好きな目で、大好きな声で、名前を呼ばれて息が詰まる。
それだけで涙が出そうで、それでも視線は彼の瞳に絡め取られて逸らせない。
気づけば指まで絡められてあの夜と同じ温度が伝わる。
彼は私の目をまっすぐに見て、その言葉を口にした。
｢好きだよ｣
何回も聞いた言葉だけど、今までのどの告白よりも胸に突き刺さった。
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Leil(プロフ) - うわ、久々に小説でガチ泣きした、、、、2人とも一途すぎんか、、、、そしてあんま関係ないけど相変わらず赤井さんかっこいいな。もうだめだ、読み終わったときのよく分からん喪失感がやばい。読むのが止まりませんでした。これからも頑張ってください！応援してます (2021年8月3日 18時) (
レス) id: 36e4ed7dad (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ゆりあさん» うわーーーん私の方こそ泣きますもったいないお言葉こんなにたくさんありがとうございます！！この感動を文字にできる語彙力がないのがすごく悔しいです…！最後まで読んでくださって素敵なご感想までくださって本当にありがとうございました！！ (2020年3月29日 14時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 体の水分が全て涙として出ていくぐらい泣きました。コメディもあるのに、メロドラマっぽさもあり、きゅんもあり、貪るように読ませていただきました！これからも応援しています！頑張って下さい。 (2020年3月27日 9時) (レス) id: 45a22d77c5 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます！！最後のところはすごく悩みながら書いた記憶があるのでそう言って頂けてとても嬉しいです…！最後まで読んでくださってありがとうございました！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^最後のシーン、すごく感動しました！涙腺崩壊しました！良い作品ですね！これからも、頑張って下さい^_^ (2020年1月18日 0時) (レス) id: 161c6e3e4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年11月11日 21時
